短命の名車、小田急「VSE」だけのレアな乗車体験 車体傾斜や連接台車が生み出す独自の快適性

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3月で定期運行を終える小田急ロマンスカーVSE(写真:HAYABUSA/PIXTA)
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2021年12月17日、小田急電鉄は特急ロマンスカー50000形VSEの定期運行を2022年3月11日で終了すると発表した。定期運行終了後は2023年秋ごろまで臨時ダイヤによるイベント列車に使用する予定としている。

VSEの営業運転開始は2005年3月で、わずか17年で一線から退くことになった。2023年秋ごろまでは残るものの、それでも18年半という短命で幕を閉じることになる。

そんなVSEだが、実はこの車両でしか体験できないことがいくつかある。ここではそんなVSEならではのポイントを紹介したい。

曲線区間での乗り心地

VSEには空気バネストローク式の車体傾斜装置が搭載されている。車体傾斜装置は曲線通過時に乗客にかかる超過遠心力を低減させるために、曲線区間で外軌側の空気バネを膨らませることにより、車体を曲線内側に傾斜させる装置だ。VSEの場合、先頭台車が最大1.8度、連接台車が最大2度傾斜する。

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車体傾斜装置自体は珍しいものではなく、新幹線N700A・N700SやE5系・E6系、JR東日本E353系、JR四国8600系や名鉄2000系「ミュースカイ」など数多くの採用例がある。振り子式も車体傾斜装置の一種だ。同じ考え方を地上設備に盛り込み、曲線区間の内軌と外軌(内側のレールと外側のレール)に高低差を設けたのが「カント」である。これにより、曲線区間に入ると車体傾斜装置がない車両でも車体が傾く。

車体傾斜装置やカントを設ける理由として一般的なのが曲線通過速度の向上である。国内では1963年に乗客が不快にならない超過遠心力を0.08Gと定めた。これは法令義務ではなくただの目安で、最近の新幹線は0.09G以内を基準としているが、ここでは0.08Gで説明する。

曲線通過速度は、超過遠心力が0.08G以下となるように設定している。スピードアップを図る場合はカント量を増やし、それでも0.08Gを超える時(カント不足)は車体を傾斜させて超過遠心力を0.08G以下に抑えているのである。

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