クラファン詐欺で儲けようとした26歳女性の悪質 1ヵ月半で約185万円を騙し取ったケースも

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2017年、米国であるカップルがガソリンが無くなり困っていたところ、当時ホームレスだった元海兵隊員が偶然通りかかり、なけなしの全財産を出してくれ、帰路につけた。カップルはお礼にそのホームレスの生活再建のためにクラウドファンディングをしたところ、いい話に胸を打たれた出資者たちから約40万ドルものお金を集められたのだ。ところが、この話はすべてまったくのウソだったことがわかり、3人とも詐欺罪と共謀罪で書類送検されている。

投資型クラウドファンディングでも、出資して集めたお金を運用して還元すると言いながら、以前からの出資者に配当金として渡す手口などが行われることがある。これは「ポンジ・スキーム」と呼ばれ、当然詐欺行為に当たる。

このように、クラウドファンディングでは様々なプロジェクトが成功につながっている一方で、詐欺行為も行われているのだ。

どうすれば悪質クラファンを見極められるか?

では、詐欺や問題のあるクラウドファンディングプロジェクトは、どのように見分ければいいのか。

まず、プロジェクト自体の具体性や写真など内容を吟味することはもちろん、プロジェクトオーナーのプロフィールやホームページ、SNSなどはすべて確認しよう。事前に質問などコミュニケーションすることで、ある程度の信頼性は確認できるだろう。たとえば犬の治療費を集めている場合は、別の新しい写真を送ってもらうことで、実際にいる犬のプロジェクトであることが確認できる。

内容の割に支援金額が高額に設定されていたり、出資金の使途や見積もりが曖昧だったりする場合は要注意だ。また、写真にフリー素材がそのまま使われていたり、画像検索すると他の画像が転用されていることもあるので、画像で検索すれば判断できることもある。

しかし、冒頭の詐欺事件のプロジェクト概要には、治療中の愛犬の写真やレントゲン写真、治療時に渡されたらしき資料なども掲載されていた。実際にすべて本物であり、それだけでは真偽を疑いようがないケースもあるだろう。

クラウドファンディングプラットフォームでも、事前審査やトラブルが起きたときのサポート、公開終了後もリターン送付や終了報告を促したり、プロジェクトオーナーが倒産などによりリターン不履行などを行った場合に支援金の80%を上限に保証金を支払う制度を用意するなどの対策をとっているが、完全に詐欺やトラブルが防げるわけではない。

リターン品が届かないなどの場合は、まずプロジェクトオーナーに連絡をし、詐欺が疑われる場合は、プラットフォーム事務局などに問い合わせよう。消費者ホットライン(188)なども利用するといいだろう。

繰り返すが、完全に詐欺を防いだり見抜くことは難しい。最終的には自分の見極めが大切なので、しっかりと見極めて利用するようにしてほしい。

高橋 暁子 成蹊大学客員教授/ITジャーナリスト

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たかはし あきこ / Akiko Takahashi

書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、企業などのコンサルタント、講演、セミナーなどを手がける。 SNSなどのウェブサービスや、情報リテラシー教育などについて詳しい。元小学校教員。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)など著作多数。『あさイチ』 『クローズアップ現代+』などメディア出演多数。公式サイトはこちら
 

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