初公開!全国「エコ鉄道会社」ランキング 電力使用効率が良い会社、悪い会社は?

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1車両キロ当たりの電力の数量、同じく電力費ともどちらも少ないほうがよい。前者は1位がJR東日本、次いでJR東海、後者は1位がJR四国で次いでJR東日本という結果となった。

なぜJR東日本は、最も効率が良いのか

線路の条件が異なるため直接の比較は難しいものの、JR東日本が1車両キロ当たりの電力の数量で記録した1.7キロワット時という数値は、今回取り上げた鉄道事業者中、最もよい成績を収めている。同社の電車はすべて電力回生ブレーキを備えているうえ、営業エリアには列車の運転回数の多い首都圏を抱えており、電力回生ブレーキで発電された電力を、効率よく他の電車が再利用していると考えられるからだ。

2位のJR東海の場合、東海道新幹線の電車が高速走行のために大量の電力を使用する点が気になるであろう。しかし、超高速で走ると車両キロも延びるので、大都市圏の省エネ通勤電車と同程度の成績を挙げていることが表からうかがえる。

1車両キロ当たりの電力費でランキングを作成すると、顔ぶれが変わっているのは、1キロワット時当たりの電力費が各社で異なるからだ。JR旅客会社に限らず、電力費は「東高西低」で、特にJR九州の10.4円は今回取り上げた鉄道事業者中、最も安価である。

JR四国が1位となった要因は1キロワット時当たりの電力費が11.7円と低額であった点が大きい。また、1車両キロ当たりの電力の数量も1.9キロワット時であったのは電車の走る区間の多くが平坦であるからと考えられ、この点も順位を押し上げた。

JR北海道は1車両キロ当たりの電力の数量で5位、1車両キロ当たりの電力費で6位とともに成績は芳しくない。最大の要因は気象条件によるものであろう。線路に雪が積もった状態で車両を走らせれば大きな抵抗が生じるので使用する電力の数量はかさむ。しかも、暖房装置にも電力を用いるので、数量がさらに増えてしまうのはやむを得ない。

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