池上彰が混とん世界を先読み!「2022年3大テーマ」 相次ぐ選挙、中国、新しい資本主義の行方は

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2022年11月のアメリカ中間選挙は支持率低迷のバイデン政権(民主党)に厳しいとの見方が大勢だ。そもそも中間選挙はレーガン政権以降、大統領の政党が議席を減らす傾向が強い。ただ今回は、選挙結果を左右する上・下院それぞれの事情が波乱要素だ。

人口比例で各州選出議席数が割り当てられる下院は、ニューヨーク州やカリフォルニア州などで1議席減、テキサス州で2議席増などと州の議席配分が変わる。テキサスは保守的な共和党の牙城だが、IT系企業などの誘致で人口が急増。民主党支持者の多い地域からの流入もあり、選挙行動がどうなるかだ。

上院は共和党と民主党の現議席数が50ずつで、議長(副大統領)を加え民主党がかろうじて多数を保っている。今回、100議席のうち3分の1が改選となるが、共和党のベテラン議員5~7人の引退がささやかれるなど予断を許さない。中間選挙は地元の事情も大きく影響する。

混戦模様の韓国大統領選挙

トランプ前大統領とその支持者の動静も気になる。2021年1月6日に彼の支持者が連邦議会議事堂に突入した事件について、トランプ氏に責任があることを認めた共和党の議員たちがいる。彼はその議員たちを目の敵にして、予備選挙でその連中を引きずり下ろそうとしている。

アメリカの選挙は現職優先ではなく、各選挙区の候補者を選ぶ予備選挙を行う。その段階でトランプ氏に忠誠を誓わない人たちが一掃される可能性がある。そうなれば、共和党が完全にトランプ党に衣替えをするという状態になる。共和党の中で、大統領候補になりたいと思っている人たちはもちろんいる。ただ、名乗りを上げるとトランプ氏からののしられて袋叩きにあう恐れがあるので、誰も手を挙げていないという状況だ。

韓国は2022年3月に大統領選挙が行われる。文在寅(ムン・ジェイン)大統領の反日路線を引き継ぐ李在明(イ・ジェミョン)氏か、あるいは日本との関係改善に動くかもしれない元検事総長の尹錫悦(ユン・ソクヨル)氏になるのか、現在は混戦模様だ。どちらが大統領になるかで、日本との外交関係は大きく変わってくる。

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