箱根登山ケーブルカー、どこで運転しているのか 開業100年の歴史、一般的な鉄道と何が違う?
関東を代表する行楽地、箱根は温泉や美術館といった観光スポットだけでなく、乗り物の宝の山でもある。新宿から小田急ロマンスカーで箱根湯本駅に到着した後、登山電車、ケーブルカー、ロープウェー、芦ノ湖の観光船をぐるっと乗り継ぎ、バスで下山する「箱根ゴールデンコース」が定番のルートとなっている。
箱根登山電車は、スイッチバックで方向を変えながら、急曲線と急勾配をこなして渓谷を渡り、強羅駅まで四季折々の景色を楽しませている。一方、ロープウェーは早雲山駅と芦ノ湖畔の桃源台駅までを結び、眼下に広がる大涌谷の360度の大パノラマが観光客に人気だ。
開業100周年を迎えたケーブルカー
登山電車とロープウェーの駅をつなぐのが「箱根登山ケーブルカー」。ほかの乗り物ほどビューポイントに恵まれたわけではなく、強羅駅から早雲山駅までの山の斜面1.2kmをほぼ真っすぐ、地道に上り下りしている。変化があるとすれば、途中の4駅での停車と、反対方向から来る車両とのすれ違いくらい。だが、一般的な鉄道とは大きく異なる動く仕組みを知れば、その奥深さに引き込まれる。
箱根登山ケーブルカーは2021年12月1日に開業100周年を迎えた。日本では近鉄生駒鋼索線に次いで2番目に古い。第2次世界大戦中から戦後にかけ、廃止された時期が6年5カ月あり、周辺の自然災害の影響などの苦難も乗り越えてきた。
路線は登山電車の終点、強羅駅(標高541m)とロープウェーの乗り場がある早雲山駅(同750m)を結ぶ。途中には公園下、公園上、中強羅、上強羅の4駅があり、中間の複線部と呼ぶ区間で上りと下りの編成が行き違う。一番急な勾配は、1000m走る間に200m登る200パーミル、最もゆるい勾配は125パーミルだ。
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