元テスラの「天才エンジニア」が作った車のヤバさ 「モデルS」設計者が設立したルーシッドの凄み

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この評価を手にした9月、ルーシッドはEPAのバッテリー航続距離ランキングの上位6位をすべてルーシッド車で塗り替え、それまで405マイルで最長記録を保持していたテスラ「モデルSロングレンジ」を首位の座から引きずり下ろした。

この航続距離は、軽量化に対するローリンソンの徹底したこだわりによってもたらされた。電動モーターも、そうした部品の1つ。ローリンソンは、その軽さを見せつけるために、プレゼンテーションではモーターを機内持ち込みサイズのスーツケースに入れて転がして見せたりする。

「高級路線」の本当の狙い

最初に放つ超高級モデルを通じて、ルーシッドの卓越した技術を世の中に知らしめる必要がある——。ローリンソンはルーシッド車の高価格を、こう言って正当化する。『ロード&トラック』は、ルーシッドはこれに成功したと考えている。

同誌は先月の試乗記で次のように書いた。「ルーシッドの上質さと比べると、テスラの内装などは食器棚の後ろに置かれた、ふたのちゃんと閉まらないプラスチック容器に見えてくる」。テスラにしてみれば、目も当てられない評価だ。

さらにルーシッドの最強バージョンは、フェラーリを抜くことだってできる。

ローリンソンによれば、EVを誰にでも手の届くものにすることが彼の究極の目標であり、市場投入したばかりの高級モデルはその足がかりにすぎない。ルーシッドは、数百万台規模でEVを安価に製造できる企業に、技術を有償供与することにも柔軟な姿勢を見せている。

「私がここにいるのは、高級車を売るためではない」とローリンソンは言う。「私がやろうとしていることは、EVの量産化なのです」。

(執筆:Niraj Chokshi記者、Jack Ewing記者)
(2021 The New York Times Company)

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