フランスのファッションブランド、クリスチャンディオールが中国で批判の標的となっている。上海のショーで使った写真を国営メディアが「アジア女性を汚すものだ」と指摘したことがきっかけ。
「レディ・ディオール」ショーで使われた写真では、伝統衣装を着たアジアの女性がディオールのバッグを抱えている。政府系の新聞、北京日報は15日、「これがディオールの目に映るアジアの女性か」と題した論評で怒りをぶつけた。
現地の中国人写真家が撮影したこの写真について、北京日報は「不気味な目、暗い顔、清王朝風のネイル」が特徴だと伝え、中国の消費者に不快感を与えると主張した。ディオールや新聞各紙、撮影を担当した写真家によるソーシャルメディアへの投稿はいずれも一般市民から怒りの反応を招いたが、不買運動の話にはつながっていない。
ディオールは今のところコメントしていない。
北京日報は「写真家がブランド側、つまり西洋の美的感覚にこびへつらっている」とし、「何年もの間、アジア女性は常に小さな目とそばかすという西洋の視点で描かれてきたが、芸術と美を評価する中国のやり方をそれによってゆがめることはできない」と論じた。