「リニアの町」になる中津川が期待する開業効果 駅、工場、車両基地を造って観光・産業を振興

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南アルプスをバックに走る山梨リニア実験線の車両(写真:w-ken0510/PIXTA)
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海はないけど川遊びができる。きれいな川が減った今の日本で川遊びができる場所は貴重な存在だ。そんな場所の一つが岐阜県中津川市。中央アルプスの最南端に位置し、日本百名山の1つである恵那山をはじめとした山々や透明度の高い川に恵まれた自然豊かな町だ。

人口7万6000人。中山道の宿場町として古くから栄えた。現在は三菱電機が工場を運営するほか、豊富な樹木と水を利用する製紙メーカーも進出する。中央自動車道の開通により首都圏、近畿圏の中間地点というメリットに着目した多くの製造業がこの地に拠点を構える。

そんな中津川市にリニアがやってくる。リニア中央新幹線の岐阜県駅(仮称)は、市内にある中央本線・美乃坂本駅の近くに造られる。さらに車両の留置や整備を行う車両基地も市内に建設される。車両基地は神奈川県相模原市にも設けられるが、車両の組み立て、オーバーホールなどができる工場を併設するのは中津川だけだ。

「リニアのホームタウンに」

「駅と車両基地が設置されるという大きなアドバンテージを頂いた。リニアのホームタウンとしてまちづくりを進める」――。

安全祈願式であいさつする中津川市の青山節児市長(記者撮影)

10月14日、車両基地の建設予定地で工事着手に伴う安全祈願式が行われ、挨拶に立った中津川市の青山節児市長がリニアに寄せる思いを述べた。

車両基地は長さ約2km、最大幅約400m、造成面積は約50ヘクタールという巨大なものだ。県が農業研究所として活用していた丘陵地を造成し、切土や盛土によって平らにならす。造成工事の完了予定は2025年9月末の予定。工場、検査庫、事務所など建物の建設スケジュールは今後発表される予定だ。

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