ただし、楽天モバイルもpovo2.0と同様、まったく使っていないと自動的に解約になるおそれがあるため、注意が必要だ。楽天モバイルの自動解約の基準も、povo2.0と同じ180日。この期間内に回線が使われない場合、自動的に契約が解除になることが契約約款に明記されている。とはいえ、povo2.0より条件は緩く、これは楽天モバイル回線でまったく通信しなかった場合の措置だ。1GB未満で料金の支払いがない月が続いても解約になることはないため、定期的に楽天モバイル回線で通信しておくだけで済む。
バックアップ用の回線はメイン回線と別にするのが鉄則だが、楽天モバイルならドコモ、KDDI、ソフトバンクのいずれともかぶらないので、対象になるユーザーは非常に多い。新規契約の際にはポイント還元など、さまざまな特典も用意されているため、iPhoneのサブ回線にはうってつけと言えそうだ。
海外キャリアと契約して国内ローミングする方法
povo2.0や楽天モバイルは国内の通信事業者だが、eSIMなら、契約に際して店頭に出向く必要はないため、日本にこだわる必要はない。バックアップ用に、海外通信事業者のeSIMを入れ、いざというときにはローミングで使うのも手だ。本来は来日を目的とした外国人用のプランだが、日本在住のユーザーが利用できないといった制限は基本的に設けられていない。海外にはローミングサービスに特化したMVNOもあり、プリペイドが一般的。バックアップ用回線にはうってつけだ。
例えば、NTTコミュニケーションズ傘下でフランスに拠点を構えるTransatelのUbigiは、ローミング専業キャリアの1社。NTTグループのため、日本ではドコモ回線にローミングで接続する。日本で使える料金プランも多彩で、例えば有効期間1日の500MBプランは3ドルで利用可能。10GBプランも22ドルで、ある程度データ通信を多く使いたい場合にも役に立つ。現状では、ドコモ回線を使った維持費が無料のキャリアはない。ローミングにはなるが、auやソフトバンク、楽天モバイルを使ったユーザーが選択するのは悪くない選択肢と言える。
国内事業者と比べ、契約が手軽なのはメリットの1つ。上記のUbigiはアプリをインストールした後、すぐにeSIMのプロファイルをダウンロードできるようになる。アカウントの作成はその回線で接続したあとになる。その後、必要な料金プランをクレジットカードで購入するだけで利用を開始できる。本人確認書類のアップロードなどはいらず、手続きは数分で済む。メインの回線が何らかの事情で使えないときになってから、初めて契約するのでも十分なほどだ。
ただし、音声通話は利用できないため、LINEや050番号を使ったIP電話アプリなど、別の手段は用意しておかなければならない。また、ローミングでドコモ網に接続するため、通信が海外経由になり、遅延が大きくなりがちだ。とはいえ、通信がまったくできないよりはいい。
ローミング専業キャリアは、海外渡航時にも役立つため、コロナ禍が収束して海外出張、海外旅行に行きやすくなったときにも活躍する。転ばぬ先の杖として、利用を検討してみてもいいだろう。
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