内紛勃発のサークルKサンクス、高まるFCとの不協和音
「彼らの努力もあるが、成長に対してそれなりの支援をしてきた」とサークルKSは説明する。だが、そもそもCVSがFC契約の中途解消を求めたのは、合併後のサークルKSの成長戦略に不安を抱いたから。「大手と違い、これからの方向性が見えないし、店舗間の距離規制を設けておきながら弊社店舗のすぐそばに直営店を作るなど、共存共栄の姿勢がない」(泉澤社長)と不満を蓄積させていた。
サークルKSからすれば、一連のCVSの行為は自社チェーンの信用力やブランド力を傷つけかねない。しかし、そこまでFCとの関係を悪化させた結果でもある。
市場飽和から既存店のマイナスが続くなど、コンビニ業界の経営環境は厳しい。安易な出店競争を反省し、既存店底上げを重視するチェーンが増えているのは、オーナーの収入減をいかに防ぐかが喫緊の課題だからだ。環境悪化に伴いチェーン間格差は広がり、オーナーにも本部のあらが目につくようになるだろう。
今回の内紛は、コンビニ業界が抱えている問題の氷山の一角と言えそうだ。
(撮影:尾形文繁 =週刊東洋経済2010年7月10日号)
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