人気でも激減、最新「駅弁」販売駅数ランキング 時刻表で判明、販売する駅は毎年減少が続く
最後に、新幹線の販売駅を細かく調べてみた。
まずは路線別の駅弁販売駅率を計算。トップは東海道新幹線(東京―新大阪)の94.12%。全17駅中三河安城を除く16駅で販売を行っていた。続いて九州新幹線(博多―鹿児島中央)が66.67%、北陸新幹線(高崎―金沢)が61.54%、山陽新幹線(新大阪―博多)52.63%、北海道新幹線(新青森―新函館北斗)50%、上越新幹線(大宮―新潟)50%。東北新幹線(東京―新青森)、秋田新幹線(盛岡―秋田)、山形新幹線(福島―新庄)は50%以下と、JR東日本の新幹線で販売しない駅の数が多かった。
のぞみ、みずほ、かがやき、はやぶさの速達タイプの新幹線が停車する駅で、駅弁がない駅は、徳山、新山口、古川、くりこま高原、水沢江刺、北上、新花巻、いわて沼宮内、二戸、七戸十和田、奥津軽いまべつ、木古内の12駅。1980年代の時刻表を見ると、東北本線のページには駅弁販売駅がたくさんあったので、国鉄世代からの鉄道ファンにとって、東北新幹線の現在の駅弁販売状況は寂しさを感じるものだろう。
駅弁には人を魅了する力がある
コンビニの普及やデパ地下の人気で、列車内で食べる弁当は改札口に入る前に購入するのが当たり前に。さらに、コロナによる旅行者の減少や行列ができるような人気店がテイクアウトに参入と、駅弁を販売する業者にとって明るい話題は聞こえてこない。現在の取扱駅減少のペースはコロナ前と比べても大きな変化はないが、収束が見えない状況が2~3年続けば深刻な状況になるだろう。だが、デパートの催事場で開催されていた駅弁大会はコロナ前、人気のイベントだったように、地方色豊かな駅弁には人を魅了する力がある。
大規模な駅弁大会は開催できないかもしれないが、冷凍や真空パックの商品を開発、全国各地へ発送するところも出てきているので、そういったメーカーを一堂に集めたオンライン販売会を行うなど、新たな企画を行って自由に旅が楽しめる時代になるまでなんとかしていただけたら……。生活がかかっているメーカーさんからしたら、図々しいことを言っているようにしか聞こえないかもしれないが、鉄道好きの1人として、なんとかしてコロナを乗り越え、駅弁の販売をしてほしいと切に願う。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら