古田新太「役作りはしない」と言い切る明快な理由 鮮烈な個性と存在感を放つ役者の思いとは?
──確かに、娘が大きくなればなるほど、父親はそうなのかもしれません。ところで先ほど役を掘り下げすぎるのは「ダサい」という言葉が出ましたよね。その古田さんの思う「ダサい」の判断基準を教えていただけますか。生きていくうえででも、演技のことでも構いませんので。
古田:人の言うことを聞かないヤツですかね。『空白』にはそんな人ばっかりしか出てこないですけど(笑)。いったん受け取ります、持ち帰りますという態度がない人はダサいかな。1回やってみて、そのうえで、ちょっとやっぱりこれおかしくないですか、って言うならわかるんだけど、最初から否定で入る人はダサいと思ってます。
映画『空白』の見どころ
──なるほど、その気持ちから、古田さんの柔軟で変幻自在なキャラが確立されていったのでしょうね。では最後に、古田さんの思う、映画の見どころを教えてください。
古田:これは皆さんにお伝えしているんですけど、寺島しのぶです。あなたの周りにもこういう人いませんか? 善意の押し売りをする人。
──寺島さんの松坂さんに対する押し売りっぷりは強烈でしたね(笑)。
古田:でしょう? しのぶちゃんのおかげでこの映画が豊かになってますから(笑)。みんなどの役もなんとなく憎めない人ばかりなのに、あの人だけ簡単に憎めますからね。見どころはそこです!
1965年12月3日生まれ。兵庫県神戸市出身。大阪芸術大学在学中の1984年から劇団☆新感線に参加。看板役者として活躍するほか劇団公演以外の舞台、映画、ドラマ、バラエティー番組、ラジオなど多彩な分野で活躍し、独自の存在感を放っている。98年に第5回、2013年に第20回読売演劇大賞最優秀賞(男優賞)を受賞。主な作品にドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』『あまちゃん』『俺のスカート、どこ行った?』、映画『ヒノマルソウル』『信長協奏曲』『土竜の唄 香港狂騒曲』他。『空白』は7年ぶりの主演映画となる。
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