コロナで瀕死「ユーロスター」なぜ危機脱却できた ワクチン接種進み、レジャー需要急増で増発へ
現状の英国におけるワクチン接種者は、少なくとも1回受けた人の割合が87%、2回完了した人が75%に達している(8月18日現在)。ただ、デルタ株の広まりで「集団免疫の獲得は今のところ不可能」という研究結果が出ている。
緩和措置はさらに進んでいる。8月には、ユーロスターが乗り入れているフランス、ベルギー、オランダから英国に入国する場合、英国民医療サービス(NHS)もしくは欧州各国保険当局などによるワクチン接種が完了(2回目接種から14日以上経過)している旅行者は自己隔離が免除され、PCR検査を入国の前後に1回ずつ行うだけでいいことになった。
英国から各国に出国する場合も最小限の隔離措置とPCR検査のみで済み、接種済み旅行者であれば1週間を超えるような、仕事に大きく差し支えるような長期の隔離は回避できるようになった。
レジャー需要が一気に復活
そして、夏休み後半のユーロスターの需要は一気に右肩上がりとなった。同社によると、8月に入って予約が一気に増え、8月18日までに少なくとも39本(片道)の列車を増発したという。8月下旬時点での運行状況は、ロンドン―パリ間が1日4往復、ロンドン―ブリュッセル―アムステルダム便は引き続き1往復となっている。
そして、ユーロスター社は9月6日から11月1日までの間、ロンドン―パリ間の定期列車を現在の1日2往復から5往復に、ロンドン―ブリュッセル間は1往復から3往復に(うち1往復はアムステルダムまで運行)増発することを決めた。
8月上旬に英政府がワクチン接種者の旅行規制緩和を実施して以来、ユーロスター社は8~9月の週末の移動需要が前年同期と比べ2倍以上に増加し、うち83%がレジャー旅行であると分析している。同社はまた、通常のチケットでは不可、もしくは手数料が必要となる予約変更を、乗車日の7日前までなら無料でできるコロナ禍での特例措置を設けている。
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