空軍パイロット「アフガン超緊迫脱出」の一部始終 「タリバンに見つかったら殺される」変装して実行

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何箇所にも及ぶタリバン兵による検問を通過して到着した空港には、前夜に続いて数千人ものアフガニスタン市民らが着の身着のままで詰め掛けていたという。サイードさんは、仕えていたアメリカ軍関係者らと緊密に連絡を取り合って早急な国外退避を試みたものの、夜になるまで搭乗できる輸送機は手配されず、再び自宅に戻った。

旧知のアメリカ軍関係者らはカブール制圧の数日前、すでに母国へと退避していたという。そんななか、アフガニスタン空軍のパイロットやエンジニアの同僚の中には、アフガン軍機で次々に脱出を試みる者もいたと話す。

脱出したアフガン機の1機が墜落

「すでにアフガン空軍でともに働いてきた同僚の中には、アフガン軍機で脱出を試みてウズベキスタンやタジキスタンに向けて飛んだ者がいました。ただ、そのうちの1機はクラッシュ(墜落)しました。ヘリコプターを使って逃げたパイロットらもいます。ただ、彼らが一体どこに向かって無事着陸したか、知る由もありません。私はそのようなリスクを取って脱出することは避けたかったので、アメリカ軍関係者らと連絡をとにかく取り続けて、アメリカ軍の輸送機が手配されるのをひたすら待つことにしたのです」

サイードさんが話す、この墜落したとされるウズベキスタンに向かった機体についても情報は錯綜した。ウズベキスタン検察は当初、アフガニスタン軍機が違法にウズベキスタンの領空に侵入したため撃墜した、としており、各国でも大きく報じられることとなった。しかしその後、事実に誤りがあったとして訂正され、ロシアのノーボスチ通信などによると、実際には撃墜されたのではなく、着陸のために誘導したウズベキスタン空軍機と衝突して墜落したと明らかにしている。

事態は大混乱を極めるなか、サイードさんは17日昼に再び、妻とともにカブール空港へ向かって、脱出のタイミングを待ち続けることにした。

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