デキる人が実践「必ず目標達成」を導く8つのコツ 「6W2H」を明確にすれば驚くほどスムーズに進む

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

要求事項をまとめると気づくことがあります。それは「利害が衝突している要求がある」ということです。

お客様からのオーダー製品の納入に際して、営業と製造の双方が

営業「4~6月に毎月200個納品してほしい」
製造「製造工程の都合から6月に一括で600個を納入したい」

と要求する、などです。

目標設定では、利害が衝突している要求への対応も大切なポイントで、対応としては、⑤「要求事項を確認し、優先順位づけをする」、そして、⑥「優先順位づけが難しい場合は、話し合う場を設けて検討する」になります。この2つを行ってもなお解決されない場合は、決裁者の意思決定をあおぎ、優先順位づけをしていきましょう。

プロジェクトの前提となる資料をまとめ、ステークホルダーへのヒアリングをし、要求事項の調整をしたら、いよいよプロジェクトの目標を書類としてまとめます。この書類を「プロジェクト憲章」といいます。

プロジェクト憲章は、プロジェクトの計画と実行をする前の「企画書」の位置づけで、この中で6W2Hの詳細を明確にしていきます。まとめるべき項目は、「名称」「目的」「成果物・要素成果物」「納期」「条件」「予算」「実施場所」「体制」「主要ステークホルダー」「リスク」「承認日・承認者・改定履歴」などですが、作成時に大切なのが、⑦「必ず決裁者の承認を得る」です。

お客様や自社の決裁者などから承認をもらい、その証拠をプロジェクト憲章内にしっかりと記載しておきます。承認を得ずにプロジェクトを進めてしまうと、「こんなことは依頼していない」といったトラブルが発生し、後々に問題になる場合があるのです。プロジェクト憲章の承認は、そうしたときの重要な証拠にもなりますので、面倒でも必ず承認を得るようにしましょう。

大きなプロジェクトはフェーズで細切れにする

ただ、プロジェクト憲章は、なかなか承認されないこともあります。「コストが大きくて承認されない」「技術的に不確実性があるので決裁者が意思決定しづらい」といったケースです。決裁者の立場では、未来の不確実なものに対して決裁するのには、勇気がいります。プロジェクトが大きくなって長期間になるほど目標設定も難しくなります。

『プロジェクトマネジメントの基本が面白いほど身につく本』(KADOKAWA)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

このようなときには、どうしたらよいでしょうか。ポイントをお伝えすると、⑧「プロジェクトをフェーズで細切れにし、最初のフェーズだけを目標設定して承認を得る」です。

仮に、新しい人工知能(AI)システムを開発する場合、全体のコストが大きく技術的に不確実性も高いため、最初からすべての承認を得るのは難しいです。ですからこうしたときには、まずはシステム設計のフェーズまでをプロジェクト化して目標設定し、承認を得るのです。

大きなプロジェクトで目標設定に難航したら、フェーズを細切れにして「スモールスタート」することで、目標設定しやすくなり承認・決裁も得られやすくなります。

こうしたマネジメントをきちんとすることによって、格段にプロジェクトがうまく進みます。ぜひ実践してみてください。

伊藤 大輔 日本プロジェクトソリューションズ社長

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

いとう だいすけ / Daisuke Ito

慶應義塾大学経済学部卒業。大手マーケティングCRM会社にて多数のグローバルプロジェクトを担当。在職中、青山学院大学大学院(MBAコース)に通学し、首席で卒業(総代)。卒業後、日本プロジェクトソリューションズ株式会社を起業。教育研修事業、プロジェクト実行支援事業を通じて、企業、教育機関、行政、NPO法人等を含め300社以上と取引し、9000人以上にプロジェクトマネジメントを教育

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事