コロナ「抗体カクテル療法」有効なのに悩ましい訳 無症状者を大量検査であぶり出すのは可能なのか

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寺嶋毅氏(東京歯科大学市川総合病院呼吸器内科教授・日本感染症学会専門家):まさにその通りだ。亡くなる人を7割抑制するということだから、早く使ったほうがいい。抗体療法はウイルスが細胞内に入る前にやっつける。機序から考えても臨床試験をみても、早く診断して早く使えば使うほど、この薬の良さが引き出される。一方で、入院となると、病床の問題もあり、ハードルがある。入院の縛りについて工夫していくべきだと思う。

自宅療養を原則とすることを目標に

抗体カクテルは点滴療法のため入院が必須となる。病床数の問題に言及する橋本氏(写真:FNNプライムオンライン)

梅津弥栄子キャスター(フジテレビアナウンサー):それは厚労省が判断するのか。

寺嶋氏:承認、使用の条件は、そうなっている。

松山キャスター:橋下さんは自宅療養も基本に置くべきだと言うが、抗体カクテル療法は点滴で行うこともあり、入院せざるをえない。

番組レギュラーコメンテーター・橋下徹氏(元大阪市長・弁護士):点滴は、本当に入院しなければダメなのかということを、こういう状況では考えなければいけないと思う。イギリスやアメリカなどワクチン接種が普及している国でも、1日あたり3万人、4万人の感染者数が出ている。どこに目標を置くか。感染者数を1,000人以下に抑えるなどと言ったら、イギリスやアメリカから「日本は何言っているのだ。そんなことできるのかよ」と不可能な目標にとらえられかねない。新規感染者数が増えた場合、本来は病院できちんと治療するのが原則かもしれないが、こういう状況のときには自宅療養を原則とすることを目標にして、開業医が場合によっては点滴も(軽症者の)自宅でできるような制度をつくるべきだ。今は軽症者も入院しているが、中等症患者、重症患者だけが入院し、軽症者は自宅療養で対応できるという仕組みを日本全国で、フェーズによって持っておく必要がある。そうでないと、ひとつの病院が「危機的な状況だ」と言って、知事が「大変だ」となれば、また社会経済活動の抑制となってしまう。

黒岩知事:(神奈川県は)自宅療養を医療の目でフォローする態勢をとっている。

橋下氏:でも、いま入院対象に軽症者も入っている。

黒岩知事:基本的には、入院のスコアにより中等症の方々が入っていると認識している。

橋下氏:神奈川県のウェブサイトでは、「中等症、軽症含めて」となっている。

黒岩知事:個別の事例でいうと、いくつかあるかもしれないが、基本的には中等症患者が入院していると受け止めている。

橋下氏:全国の自治体は、軽症者も含めて入院をさせて「大変だ、大変だ」と言っているところも多い。

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