大手タクシーが「車窓広告」に本腰を入れる理由

国内初、プロジェクター使い窓ガラスに投影

「Canvas」発表会の席上で、S.RIDEの西浦賢治社長(右)とニューステクノロジーの三浦純揮社長(左)(記者撮影)

後部座席の窓に広告が表示される、一風変わったタクシー車両が5月末から都内で走り始めた。

「Canvas」と名付けられた車窓広告サービスで、後部座席を特殊な窓ガラスに交換し、プロジェクターを使って広告を窓ガラスに投影する。こうした車窓広告は中国などでは導入されているものの、国内では初めての取り組みとなる。

このサービスは、国内PR大手・ベクトルの子会社「ニューステクノロジー」とタクシー配車アプリを展開している「S.RIDE」が提供している。タクシー大手の大和自動車交通と国際自動車の車両50台ずつ計100台に搭載され、稼働し始めた。

1週間で300万人に広告を訴求

5月に開かれた車窓広告付きタクシーの出発式で、国際自動車の西川洋志社長は「日本で初めての車窓サイネージ(広告)。タクシー業界では厳しい状況が続いているが、非常に明るい話を頂戴した」と車窓広告への期待感を示した。

プロジェクターが使えるよう、車窓広告は乗客が乗っていない時間にのみ広告が表示される。設置費用は約30万円程度で、ニューステクノロジーとS.RIDEで負担する。広告料金は1週間の掲載で50台使用の場合は300万円、100台使用なら500万円だ。広告収入の一部はタクシー会社に支払われる。

タクシーを利用した似たような広告にラッピング広告がある。ニューステクノロジーの三浦純揮社長は「ラッピング広告は掲載まで2カ月ほどかかることが多いが、Canvasなら5営業日で広告が掲載でき、車両ごとに表示する広告のデザインを変えることも可能だ」と話す。同社の試算では、100台を1週間使用すると、約300万人が見たことになる効果が見込めるという。

広告媒体としてのタクシーに着目した広告は広がりつつある。代表例がタクシーの後部座席に設置したタブレット端末向けの車内広告だ。ニューステクノロジーが運用する車内広告サービスのGROWTHは、都内を走るタクシー約1万2500台に搭載されている。乗客がタクシーに乗って1本目に流れる広告枠は期間1週間の枠が650万円で販売されている。

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