懸命にやっても、伝わらなければナッシング 起業家対談 ライフネット出口治明×PlayLife佐藤太一
「子育て世代の保険料を半額にしたい」「『生命保険はむずかしい』と言われる時代を、終わらせたい」。
今では有名になったが、ライフネット生命の出口治明会長兼CEO(66)が、「還暦スタートアップ」を決意したのは2006年のことだ。
あすかアセットマネジメントの谷家衛氏が出口氏の高い志に賛同、岩瀬大輔社長(38)を紹介。その後、多くの協力者が出口会長や岩瀬社長の掲げるシンプルなビジネスモデルに共鳴、2008年に同社は産声を上げた。
ライフネットのわかりやすいビジネスモデルは顧客に支持され、2012年3月には東京証券取引所マザーズ市場に上場。営業開始から6年弱の今年2月には、保有契約件数も20万件を突破した。この4月からは主力の2商品を見直し、開業後初めて保険料を引き下げるともに、女性向け終身医療保険も新たに発売。
例えば、定期死亡保険(30歳男性、保険期間・保険料払込期間10年、保険金額1000万円)なら、月額保険料は1230円。終身医療保険(30歳女性、入院給付金日額5000円、保険期間・保険料払込期間は終身、保険金額1000万円)なら、月額保険料は1776円だ。同社はこのシンプルさを武器に、第2ステージに入りをめざす。
一方のPlayLife(プレイライフ)。2011年、大手有名コンサル会社で働きづめだった佐藤太一氏(32)は、駅のホームでバタリと倒れてしまう。
死の恐怖がよぎった時、人生の幸せとは、おカネでも、地位でも、名誉でもないことに気付いたのだという。
「どうせ死ぬのなら、それこそ遊び倒すほど遊んでから死にたい」。それが起業につながった。人生を120%楽しむための「あそび」のポータルサイト、「プレイライフ」をつくり、スタートアップしたのは2013年6月のことだ。