「災害後の突然の不調」に悩む人へ伝えたい対処法 被災者だけでなくニュースを見て体調崩す人も

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規則正しい食事習慣は健康寿命も延ばすことが、時間栄養学の研究成果によってわかっています。朝は起きたばかりで食欲が湧かない、といって朝食をとらない人がいますが、3食のうちでもっとも決まった時間に食べやすいのが、朝食です。朝食をとることで、朝から胃腸が働く習慣がつき、おのずと空腹を覚えるようになります。簡単なメニューでもいいので、まずは朝ご飯を食べる習慣をつけてみてください。

災害に遭うと、規則正しい生活ができなくなることが多いです。体内時計が狂った場合はとくに、朝食をとることで、時計遺伝子のリズムが戻ってきます。一見、不眠と朝食は関係がないと思うかもしれませんが、体内時計の観点から見ると大いに影響し合っています。もっとも簡単に始められる方法なので、ぜひ実践してみてください。

次に試していただきたいのが、朝10分の散歩です。これは、朝日を浴びることで体内時計がリセットされる(ズレが修正される)効果があります。「幸せホルモン」セロトニンの分泌も促されます。

私は、不調を訴える患者さんによく「朝10分の散歩を1週間してみてください」と提案します。朝10分の散歩は、交感神経と副交感神経の切り替えを促しますし、光を浴びることで体内時計が調整されます。私も毎朝、娘を抱っこして散歩しますが、こうなると人と触れ合うことで接する幸せホルモン、セロトニンまで分泌され、1日のスタートが気持ちよく切れます。

患者さんに伝える際、「10分」と「1週間」を強調します。「それくらいなら続けられる」と思ってもらうことが大切です。みなさんも義務感ではなく、朝の清々しい空気の中を気持ちよく歩いてみてください。

朝の散歩が難しい人は、せめて起床後に部屋のカーテンを開け、意識して窓辺に立つようにしてください。室内で日光を浴びるだけでも、体内時計は調整されます。天気が悪い日なら、朝起きたときに明るいライトなどを見るようにしましょう。

うつ病や肥満、免疫不全の予防にも効果

体内時計のリズムを整えることは、睡眠障害や疲労解消以外にも、うつ病や肥満、免疫不全の予防にも効果があります。

人間の体には、起床後の朝になるとホルモン・コルチゾールの分泌量や血糖値が上がる「暁現象」という働きがあります。そのため、日中は交感神経を活発にし、適度な緊張状態を作る必要があります。そうしないと、夜、副交感神経への切り替えがうまくいかなくなるのです。

交感神経と副交感神経はバランスが大事ですが、極端に言えば原始人のように、昼は狩猟か稲作に勤(いそし)むことで、夜もよく眠れるようになります。睡眠のためにも、日中はやはりきちんと体を動かし、仕事や趣味、家事など、なにかしら活動することが大切です。こうした生活を送ることができると、夜には自然と眠くなります。

仕事自体が不眠やストレスの原因になることもあるでしょうが、そういう面ばかりではないはずです。「仕事が自分の人生を支え、豊かにしているのだ」という面にも目を向けてみてください。それでも不調が続くときは、就寝前に意識的にリラックスタイムをつくってください。睡眠の前にはカフェインが含まれるコーヒーや紅茶を飲むことは控えましょう。夕食の量は満腹でもなく空腹でもなく、ほどほどがお勧めです。

ストレッチ運動もリラックスのためにはいいでしょう。ちなみに筋トレは、脳を興奮させ交感神経のはたらきを高めるので、夜に筋トレしたいという人は、眠る90分前までには終わらせてください。体の疲労が大きい日に無理をする必要はありませんが、夜はぬるめのお湯にゆっくり入浴すると、リラックス効果が得られます。

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