塾不要!家で「プログラミング的思考」鍛える術3つ 日常生活の中に「素材」は無限に転がっている

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では、子どもの「プログラミング的思考」を育てるために、親として何ができるのか、どんな工夫ができるのか、現役のITエンジニアでありIT教育者である私が家庭や学校で、実際に子どもに対して行ってきた取り組みをいくつか紹介していきましょう。

教科書が必要なわけでもありませんし、堅苦しいお勉強をするわけでもありません。日常生活の中に、いわゆる「プログラミング的思考」に通じる考えを育む素材は無限に転がっているからです。

①「ブラックボックスあてっこゲーム」

「ブラックボックス」とは、内部の動作原理や構造を理解していなくても使える装置やソフトウェア、仕組みのことを指します(対して、中の仕組みが完全にわかっていることを「ホワイトボックス」と呼びます)。そこから転じて、身のまわりで「本当は中で(あるいは見えないところで)どんなことが起こっているのかよくわかってないもの」という意味合いもあります。

このブラックボックスの中身を想像・推測したり、本当にそうなのかを試してみたり、調べてみたりする遊びを、私は「ブラックボックスあてっこゲーム」と呼んでいます。

簡単にいえば、「仕組みを想像してみる」というイメージです。

たとえば、「コンビニとかスーパーって、いろんな商品が売ってるよね。これって、どこからくるんだろう?」「お店が閉店してから翌日に開店するまでの間、お店の人たちはどんな仕事をしているんだろう?」「お店の隅によくある『関係者以外立入禁止』と書かれた扉の向こうには何があるんだろう?」などなど。

重要なのは、「想像してみる」「推測してみる」ことです。

子どもならではの、自由な(ときにはほほ笑ましい、ときには奇想天外、ときには鋭い)発想でいろいろなアイデアを出してくれるものです。

それらを起点にして、さらに「その商品が作られたところでは、どんなふうに作っているんだろう?」とか、「じゃあ、その推測でうまくいくか、スーパーでお仕事をする1日を紙の上でシミュレーションしてみよう」とか、「お店の人に、扉の向こうがどうなってるか、実際に質問してみよう」とか、どんどん進めていくのも楽しいですね。

「自ら仮説を立て、考え、理解する」が重要

そのほか、SuicaやPASMOなどの交通系ICカードを、乗る駅と降りる駅でかざすとき、何が行われているのか、どうやって運賃を計算しているのか、ICカードには何が記録されているのか(あるいは記録されていないのか)を想像してみたりもしました。

もっとアナログでシンプル、かつ身近な例としては、台所や風呂の温度調節機能付き蛇口ハンドル(左に回せば温かく、右に回せば冷たくなる)の仕組みについて考えてみたりもしました。

大人にとっては当たり前なこんな仕組みであっても、多くの子どもにとっては「ブラックボックス」「魔法のような仕組み」に感じられるものですが、わかった瞬間に「そうか! なるほど〜!」とうれしそうに反応してくれます。

「ブラックボックスあてっこゲーム」は、「自ら仮説を立て、考える。そんな段階を踏んで物事を理解する」という一連の思考プロセスを習慣化するのにも役立ちます。

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