マツダ、期待の「デミオ」発売前の懸念 純正カーナビに不具合見つかる

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純正カーナビ「マツダコネクト」は地図データの誤りなどのトラブルも

国内シェア挽回へ、強力な武器となる新型デミオだが、懸念材料が1つある。純正カーナビの「マツダコネクト」のトラブルだ。マツダコネクトは、昨年に発売された新型アクセラから導入されている、新しい純正カーナビ。SNSなどネットワークとの接続機能などを特徴とした新世代システムとして、鳴り物入りでデビューしたが、地図データに誤りがあるなど肝心のナビゲーション機能の性能が低く、評判がいいとは言えない。ネットの掲示板での酷評はともかく、通常、批判が書き込まれることはあまりない公式サイトさえ、批判的なユーザーコメントが少なくない。

もちろん、マツダもすでに2度にわたって無償修理(サービスキャンペーン)を実施するなど、対応を進めている。ただ、まだ日本で一般的なユーザーがカーナビに期待するレベルには、達していない状況である。

カーナビにうるさい日本のユーザー

デミオの場合、普段使いのコンパクトカーなだけに、カーナビの性能は重要。カーナビに多少不満があっても、クルマの走りやデザインに魅力を感じてもらえる上級車とは違う。デザインや走りより、経済性や使い勝手が相対的に重視されるカテゴリーなのだ。特に日本のユーザーは、世界でも最もカーナビにうるさい。

マツダによれば、新型デミオに搭載するマツダコネクトには不具合を改善したソフトウエアを搭載するだけでなく、マツダコネクト以外のカーナビも用意する方針だという。コスト低減を進めた新プラットフォームを全面的に採用したデミオは、その売れ行きがマツダの利益に与える影響は小さくない。発売前に万全の準備が求められる。

丸山 尚文 東洋経済 記者

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まるやま たかふみ / Takafumi Maruyama

個人向け株式投資雑誌『会社四季報プロ500』編集長。『週刊東洋経済』編集部、「東洋経済オンライン」編集長、通信、自動車業界担当などを経て現職

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