フォードCEOに昇格、マツダ元社長の手腕 日米で大規模なリストラを断行
マツダの元社長がついにフォードのトップに上り詰めた。
米自動車大手フォード・モーターは5月1日、マーク・フィールズCOO(最高執行責任者、53)が7月1日付けで、CEO(最高経営責任者)に昇格すると発表した。「フォードの未来は明るい。マークは、私たちがやらなければならないビジョンを実現し続けることができる正しいリーダーだ」と、アラン・ムラーリーCEO(68)はフィールズ氏をそう評価する。
今回の昇格は既定路線だった。2006年、米航空機大手ボーイングからフォードのCEOに転じたムラーリー氏。同年決算で126億ドルの最終赤字を計上するなど経営危機にあったフォードの構造改革を断行。2013年には71億ドルの最終利益を確保するまでになった。そのムラーリー氏の右腕として力を発揮してきたのが、フィールズ氏だ。判断の速さと実行力に定評がある。
赤字の北米事業を再建
フィールズ氏の大きな功績の一つが、「ウェイ・フォワード」と呼ばれる大規模なリストラだ。2006年に赤字を垂れ流していた米国事業のトップに就任すると、「2011年までに黒字に戻す」と公約。4万人の人員削減、10カ所以上の工場閉鎖に踏み切り、収益体質を改善。2009年には黒字化を果たしている。
米ビッグスリーの中で、GMとクライスラーはリーマンショック後に経営破綻し、一時、政府管理会社となった。だが、フォードは自力で再建。ウェイ・フォワードはその礎ともなった。いまやフォードの2013年の北米部門の経常利益は88億ドル。欧州の23億ドルの赤字を補って、最大の稼ぎ頭となっている。
実は、フィールズ氏は日本とも縁が深い。というのも、かつてマツダの社長を務めていたからだ。一体どんな人物なのか。
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