人数制限し感染対策「鉄道イベント」開催の難しさ 緊急事態やまん防地域外で開催、中止の例も

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西武は今回、2年ぶりにイベントを開催したことについて、「西武鉄道をご利用のお客さまや沿線にお住まいの地域住民の方をはじめ、みなさまが電車に親しんでいただき、当社事業への理解を深めていただくために開催しました」と説明する。そのために入場者数の制限や完全事前申し込み制の導入など感染防止対策を徹底した。

完全事前申し込み制として入場者数を制限した西武のイベント(筆者撮影)

会場となった車両検修場のある埼玉県日高市は、「緊急事態宣言」のエリアではなく、「まん延防止等重点措置」も対象外であった。その状況を踏まえてこのイベントが開催できたといえる。さらにイベントの開催制限5000人を守り、会場内での飲食は一部を除き禁止している。現状で可能な範囲内で、極力例年に近い内容のイベントを行うべく工夫したわけだ。

なお、今回は事前申し込みにあたって、地元の飯能市や日高市(ともに「まん防」対象外)の住民をそれぞれ500人ずつ招待した。全体で5000人の参加者のうち、1000人は地元の人々となったわけだ。地域住民に理解を深めてもらうという主旨を考えると理にかなっている。筆者は「宣言」対象地の東京都調布市から県境を越えて行ったとなると、取材とはいえ申し訳ないような気持ちがした。

「お手軽企画」でも感染対策は徹底

一方、もっと人数を限定してイベントを行った例もある。京成電鉄の子会社京成トラベルサービスは、5月29日に「宗吾車両基地見学ツアー」を開催した。

このイベントは、空港特急「スカイライナー」AE形に東京都台東区の京成上野駅から乗車し、千葉県印旛郡酒々井町の宗吾車両基地までやってきて、その車両基地を見学しようとするものだ。9時前に京成上野駅を出発し、11時40ころに現地解散という行程だった。定員は176人で、実際には172人が参加した。ちなみに酒々井町は「まん延防止等重点措置」の対象外だ。

京成電鉄はツアーについて、「遠出を伴わないお手軽企画で気分転換を図っていただくことを目的に実施しました」という。開催にあたっては感染防止対策を徹底した。どんな対策を取ったのだろうか。

京成のイベントにおける感染対策は以下の通りだ。

1)開催場所における消毒(手を触れる場所を中心に出発前に実施)
2)受付時の検温実施(37.5度以上は参加の遠慮をお願いする)
3)密接防止のため参加人数を制限
4)添乗員等によるイベント中の密接防止の案内と注意喚起
5)参加者に適宜手指の消毒及びマスク着用のお願い
6)添乗員等のマスク着用、検温、手洗い・うがいの励行
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