新ルートに夢が広がる、JR西日本「銀河」の将来性

夏から京都―新宮間で運行、今後はどこへ?

瀬戸内海沿岸を走るJR西日本の長距離列車「WEST EXPRESS銀河」。夜行だけでなく昼行列車としても運行されている(写真:Nagi/PIXTA)

JR西日本が2020年9月11日に運行を開始した新たな長距離列車「WEST EXPRESS 銀河」(以下「銀河」)は、コロナ禍で各社の豪華クルーズトレインなどが運休する中でも運行を継続し、人気を集めている。

昨年9月から11月までは関西(京都・大阪)と山陰地方を結ぶ夜行列車として運行したのち、同年12月から今年3月までは大阪―下関間を昼行特急として走った。現在は再び山陰方面への夜行として6月末までの予定で運行しており、7月~12月には「紀南コース」として、京都―新宮間を往路夜行、復路昼行で運行する予定となっている。

筆者は、「銀河」は試行的な要素が強いと思われるものの、寝台夜行列車を復活させるノウハウが詰まっていると見ている。それだけでなく、昼行特急としての運行実績から、昼間の特急列車の活性化にも結び付くと考えられる。

「銀河」の特徴

「銀河」のコンセプトは、「気軽に鉄道の旅を楽しめる列車」である。これは鉄道での旅に慣れた乗客から、普段あまり鉄道を使わない乗客、さらに訪日観光客まで、幅広い客層を対象としている。それゆえラグジュアリーな旅を楽しむ「トワイライトエクスプレス瑞風」とは、完全にターゲットとしている利用者層が異なる。

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「銀河」のキーワードは、「多様性」「カジュアル」「くつろぎ」である。「多様性」はグリーン車・普通車の座席のほかにグリーン個室、ノビノビ座席、コンパートメントシート(普通車個室)、女性席、ラウンジなどさまざまな座席を設置した点に表れている。

「カジュアル」を意識した点がうかがえるのは、気軽に鉄道の旅を楽しめるように、割高な寝台料金を設定していない点だ。個室もグリーン車だけでなく、普通車にも設定している。「くつろぎ」は、落ち着いた車内空間で車窓から風景を楽しめる座席配置とし、乗客が自由に使うことが可能な定員外のフリースペースを設けた点に現れている。

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