原油価格は7月以降さらに上昇する懸念がある

1ドル=70バレル台の価格は一体いくらに?

いよいよアメリカも夏本番。今年は例年よりもガソリンの消費が増えそうだ(写真:まちゃー/PIXTA)

アメリカが、アフターコロナの解放感に浮かれている。筆者が暮らしているニューヨーク(NY)では、7月初め現在、成人のワクチン接種率が一定以上に達したことを受け、感染拡大に関するほとんどの規制が撤廃されている。

現時点では、地下鉄などの公共交通機関や空港などでのマスク着用など、疾病予防管理センター(CDC)による連邦基準のガイダンスに基づく一部のルールが残っているのみだ。実際、人々はマスクなしで外を歩き、レストランや映画館にも普通に人が押しかけ、劇場なども再開に向けて急速に準備が進められている。

景気の急速な回復を受け、原油相場も騰勢強める

昨年のNYはアンドリュー・クオモ州知事のもと、他州に比べてもかなり厳しい行動規制が敷かれた。店内飲食などが認められないなか、真冬でも氷点下の気温を耐え忍んで屋外で食事をしていたことを考えれば、本当に天と地ほどの変わりようである。

規制に厳しかったNY州でもこの状態なのだから、他の州の状況は推して知るべしだろう。はたから見ていると、本当に大丈夫なのか、いくら何でもやりすぎではないか、と心配になってくるくらいだし、ワクチン接種が十分に進んでいない中西部州などでは、いまだに感染拡大が深刻な状況となっているところもある。

また接種が進んでいる州でも、その効果が期待ほどではなければ、秋以降は再び感染が爆発的に拡大するリスクも十分にはらんでいるはずだ。それでもアメリカは一丸となって経済の再建に向けて進んでいくという意志を、バイデン政権が明確に示しているのである。少なくとも、こうした状況はこの夏いっぱいは続き、経済の回復もかなりのペースで進んでいくものと思われる。

こうした経済の急速な回復の恩恵を一番大きく受けている市場の一つが、原油市場であることは間違いない。原油価格の代表指標であるNYのWTI原油先物価格は、6月半ばに1バレル=70ドルの節目を突破、その後も調整らしい調整もないままに、しっかりと値を切り上げる展開が続いている。

経済の急速な回復に伴い、需要が大幅に増加するとの期待が相場を主導している。供給側のOPECプラス(石油輸出国機構と非加盟の主要産油国で構成)は減産幅を縮小、5月から7月までの3カ月間で日量210万バレル生産を増やす方針を示しているのだが、そんなことなど、ほとんど無視されているのが実際のところだ。

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