ドラゴン桜「受験で一発逆転」侮る人に欠けた視点 大学受験は課金ゲーム?日本の教育格差の本質
一方で、名門高校から東大に入学した友人たちに「母校のどういう点が良かった?」と聞くと、「周りの友達が良かった」と答える場合が多いです。「尊敬できる友達がいて、切磋琢磨できたから、東大に合格できた」と言います。名門校は、上質な教育だけではなく意欲的な生徒が周囲にいることこそが名門校を名門校たらしめているのです。
このような意欲の差異が、教育格差を助長しているものの正体なのではないでしょうか。そしてだからこそ、「ドラゴン桜」という作品は、教育格差を解消しうるパワーを持っているのではないかと思い、僕はお手伝いさせていただきました。
16年前、「ドラゴン桜」が最初にドラマになったとき、多くの生徒が触発されて東大を目指すようになりました。そして名門校以外の高校出身の生徒や、偏差値が低かった生徒が本当に一発逆転で東大に合格しました。意欲の格差を飛び越え、違う場所に挑戦する生徒が増えたのです。
勉強して社会のことがわかるようになった
かく言う僕も、『ドラゴン桜』を読んで、いじめられっ子で偏差値35の状態から東大を目指しました。結果、東大に合格し、今度は自分が「ドラゴン桜」の制作に関わる立場になりました。
桜木先生は「搾取される側からルールを作る側に回れ」と言っていましたが、確かに偏差値35の自分は無知で、あのとき勉強して社会のいろんなことがわかるようになったと思います。
桜木先生は「バカとブスほど東大にいけ」と言っていましたが、確かにバカで誇れるものも何もなかった僕は、東大に合格して誇れるものを得られたと思います。だからこそ、このドラマを通して「自分もやってみよう」と思う子が登場してくれれば、こんなにうれしいことはないと感じます。
さて、ドラマは終わってしまいましたが、「ドラゴン桜」はまだまだこれからです。僕は今、ドラゴン桜的に東大生になった生徒たちと一緒に、次の逆転合格を支援できるように日夜活動しています。「ドラゴン桜」が、フィクションの世界のものとしてだけでなく、ちゃんと現実のものとして受容される社会にできるよう、これからも頑張っていきたいと思います。
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