ドラゴン桜「受験で一発逆転」侮る人に欠けた視点 大学受験は課金ゲーム?日本の教育格差の本質

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日本にはいろんな教育格差があります。

まずは経済格差です。お金を払わないと、いい教育を受けることができないという問題ですね。東大合格者の多くは、開成高校や麻布高校などの、都会の名門私立中高一貫校に通っていたという事例が非常に多いです。

そしてそれらの高校に通うためには、小学4年生から塾に通うことがほぼ必須になっており、そのためには年間100万円以上の教育への投資が必要です。「大学受験が課金ゲーム化している」というのは世帯年収300万円の家庭から東大に合格した現役東大生ライターの布施川天馬さんの言葉ですが、まさにそういう状況が生まれています。

次に地域格差です。都会と地方とでは、圧倒的に情報の差があり、指導力のある先生も不足しています。いい大学に行こうとしても、住んでいる場所だけで合格できる可能性が減ってしまっている可能性があるのです。

これらの問題は今、解決の糸口が見えつつあります。例えばドラゴン桜を読んで「自分も東大に行きたい!」と思ったとして、今やスマホを使えばいろんな情報にアクセスすることができます。

月額約2000円を払えば授業が受け放題になるスタディサプリや教育系のYouTuber(ユーチューバー)の登場、オンラインコーチングサービスで自分の受ける大学に合格したコーチが自分に勉強を教えてくれるサービスもあります。昔よりも格段に、「経済格差」も「地域格差」も解消しうる状況が生まれつつあるのです。

それでも名門校出身者に偏る原因は「意欲の格差」

しかし、それでも名門大学の合格者の割合に変化は見られません。行きやすい状況になっているにもかかわらず、実際に行く人の数は変化していないのです。

なぜか? それは、第3の教育格差として、「意欲の格差」というものが存在しているからです。

努力して、今ある環境を脱して、全然違うところに行きたい。今は偏差値が低いけど偏差値の高い大学に行きたい。そういう意欲というのが、地方と都会と、または学校の偏差値で変わってしまっていると思います。

「東大を目指そう!」というような意欲的な生徒は、それまで先輩で東大生に合格した人がいない、または少ない学校では、なかなか生まれにくいです。これは勉強面における「東大」に限ったことだけではなく、部活や課外活動も含め、周囲に模範になる先輩や同級生が少ないと、何かに意欲的に取り組むことが「かっこ悪い」という雰囲気が生まれてしまいます。

例えば僕の母校は東大合格者が出たことがない高校でした。そこから東大を目指すにあたって、「なんで東大なんか目指すの? 俺らなんかバカなんだから、東大合格なんて無理に決まってるじゃん」と言われたことは一度や二度ではありません。それこそ、ドラマの中の龍海学園で東大専科のメンバーがバカにされたように、環境によって、意欲がある生徒がその意欲を減退させられてしまうのです。

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