プロパストが申請した異例の「民事再生」の行方
ジャスダック上場の不動産会社プロパストが5月14日、東京地裁に民事再生手続きの開始を申請し、受理された。負債総額は554億円。
同社は2009年5月期に債務超過に転落したが、その後も物件の売却が進まなかった。5月期末までに債務超過が解消できなければ上場廃止となる瀬戸際に立っていた。
今回、異例なのは、民事再生法を申請しながらも上場維持を狙っていること。
上場を維持しながら経営再建していくには事業再生ADRの活用が多い。だが、同社の津江真行社長は「ADRでは、再建計画について債権者全体の同意が必要なうえ法人税などの滞納もあり、要件を満たさない。ただ、今回の民事再生申請であれば債権者の過半の同意は得ている」と説明する。
今後の関門は二つある。まず、時価総額基準をクリアすること。5月15日から6月14日までの平均時価総額、または6月14日の時価総額が5億円以上なければ上場廃止となる。
ちなみに民事再生の申請を発表した14日の終値ベースでは3・4億円。再生手続き開始決定を受け約53億円の法人税の還付請求を行った翌日には、6億円を超えた。
上場を維持できても、さらなる関門がある。債権者の同意を得て、裁判所への提出期限(7月7日)までに再建計画が出せるかどうかだ。