遂に登場、香港発「人工海鮮」は食卓で普及するか 魚フライやツナ缶などを今年9月に発売する

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オムニ・フーズから発売される人工海鮮の新商品(写真は同社ウェブサイトより)

植物性タンパク質などを原材料としながらも、本物の肉のような食感を味わうことができる「人工牛肉」や「人工豚肉」。それらに続いて、今度は「人工海鮮」が中国の食卓にお目見えする。

6月8日、香港企業のグリーン・マンデー傘下のフードテック企業、オムニ・フーズは、魚風のフライや、フライを挟んだハンバーガー、ツナ風缶詰といった人工海鮮の新製品を今年9月に発売すると発表した。

グリーン・マンデーによると、今回発売する人工海鮮は、遺伝子組み替えでない大豆、エンドウ豆、米などを原材料としている。なお、同社がすでに発売している「人工豚肉」では、上記の材料に加えてシイタケも使用している。

記者会見では新製品の販売価格についても質問が及んだ。それに対し、同社の創業者のデイビッド・ヤン氏は「(魚風フライの)『オムニ・クラシック・フィレ』の価格は、市場で販売されている魚フライの冷凍食品と同レベル」とコメントするにとどめ、それ以上の明言を避けた。

すでにライバルも存在する

人工海鮮を開発・発売するのはグリーン・マンデーが初めてではない。アメリカのスタートアップ企業である、ニュー・ウェイブ・フードは海草や大豆タンパクを原材料に用いた「植物エビ」を開発した。同社は2021年1月に1800万ドル(約19億7000万円)を投資家から調達し、2021年1~3月期から植物エビを販売している。

本記事は「財新」の提供記事です

これまでグリーン・マンデーは人工豚肉の開発を先行させ、挽肉やランチョンミート、細切り肉風の人工豚肉を販売してきた。

ヤン氏は「中国国内の代替食品市場の発展に期待している。今年の7~9月期には、広東省で新工場を稼働させる」と語った。稼働後には、広東省の工場では中国国内市場向けに、既存のタイの工場では東南アジアなど海外市場向けにそれぞれ生産する計画だ。

(財新記者:文思敏)
※原文の配信は6月9日

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