増田ユリヤがYouTubeで鋭いツッコミ入れる理由 オタクモード全開で語る池上彰がタジタジに
増田:池上さんが自分の常識の上に立って、あまりに専門的なことを興奮気味に話すので。言葉づかいは難しくないし、説明は間違っていないと理解できるんですが、状況の概念がまるでつかめない。もっと違う視点で説明してくれたらわかるのかもしれない、と思って、何度も何度も聞き返してしまったんです。
そもそも、GPSが目標物の位置を特定する原理がわからないのに、どうやってその電波をかく乱しているかなんて、一般の人が聞いてもそんなに簡単にわからないと思ったんですよね。
池上:増田さんに「わかりません」と言われるたびに焦って、ますます説明できなくなるから、現場も「これはやばいぞ」という空気感になるし(苦笑)。
増田:私のこれまでの経験上、ほんの些細なことでも、自分がわからないことや納得していないことをそのままにすると絶対に間違いをおかしたり、失敗したりするんです。だから、少しでもひっかかることがあると、必ず確認することにしているんです。それでも十分じゃないことがありますが。
テレビとは違う「池上彰」
池上:オレがあまりにも冷や汗をかいて必死になっているものだから、そのやりとりがおかしかったのか、スタッフがふと笑ったんだよね。今見返しても、必死になって説明しているオレに増田さんが何度も「わかりません」というやりとり。もう絶妙だもの。
増田:そりゃそうでしょう。知らないことは何もない、何でも知っていて、何を質問しても答えてくれる、いつもテレビで見ている「池上彰」とは全然違うんですから。こんな姿、見たことも見せられたこともないですしね。
初めは戸惑っていたスタッフも、私と池上さんのやりとりにあきれて、思わず笑ってしまったのでしょう。第一、池上さん自身が途中で「こりゃ、面白い! 続けよう」みたいなことを言い出したじゃないですか(笑)。
池上:だから、収録が終わった後、これをそのまま動画にすればいいんじゃないか、と思ったんだよ。
それが、出来上がった動画を見たら、オレと増田さんのやりとりがすべてカットされていた。オレがあまりに理路整然と話していて、増田さんは聞いているだけ。悪いけど、面白みもない解説に仕上がっていた。後から聞いてみると、うまく説明できていない池上彰を見せていいのかという葛藤が、制作スタッフにあったみたいなんだよね。
増田:そう思っても当然ですよね。でも、YouTubeはテレビとは違うというのであれば、池上さんと増田の素の部分を見せなきゃダメでしょう。池上彰だって、時には失敗したり、格好悪かったりするという姿を(笑)。