茨城一家殺傷事件は「第2の酒鬼薔薇事件」なのか 「人を殺してみたい」衝動を押さえられない?

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1997年5月27日早朝、神戸市須磨区の中学校の正門に、切断された子どもの頭部が放置されているのが発見された。3日前から行方不明になっていた近隣に住む11歳の男児のものだった。

耳まで切り裂かれた口には、「酒鬼薔薇聖斗(さかきばらせいと)」と名乗る犯行声明文が挟まれていた。それだけでも衝撃だったが、1カ月後の6月28日に容疑者として逮捕されたのが当時14歳の少年だったことは、日本中を震撼させた。

さらに少年は児童を殺害する以前の同年2月1日には須磨区の路上で女児2人をショックレス・ハンマーで殴り、1人に重傷を負わせていた。翌3月16日には、須磨区の公園で当時小学4年生の女児を金槌で殴って殺害。その直後に、別の小学4年生の女児の腹部を刃渡り約13センチの小刀で刺して重傷を負わせている。

それ以前の小学5年生くらいから、カエルなどの解剖をはじめ、その対象が次第にネコに移っていった。それがやがて人間へと辿り着く。のちに家庭裁判所の医療少年院送致決定の中でも、「ネコ殺しの欲動が人に対する攻撃衝動に発展した」と指摘されていた。まさに、岡庭容疑者を彷彿とさせる。

岡庭容疑者は精神鑑定で「広汎性発達障害」と診断され、医療少年院に送られることになった。その少年院を出所した翌年に、今回の事件を引き起こしている。

名古屋大女子学生の殺人事件とも共通点がある

実は、岡庭容疑者のように「人を殺してみたかった」という理由で人を殺して、精神鑑定で「広汎性発達障害」と診断された、まったく同じケースがほかにもある。

名古屋大学の当時19歳だった女子学生が、宗教の勧誘で知り合った老女(当時77)を殺害した事件だ。2014年12月7日、2人で宗教団体の集会に参加したあとに、女子学生が「聞きたいことがたくさんある」と自宅アパートに誘い、そこで用意した斧で頭部を殴り、マフラーで首を絞めるなどして殺害している。

「人が死ぬところを見たかった」

そう供述したこの殺人事件の捜査の過程で、さらに女子学生は高校時代に同級生の男子生徒と中学時代の同級生の女子生徒の2人に、劇物の硫酸タリウムを飲ませていたことが発覚。「他人に硫酸タリウムを飲ませて中毒の症状を見てみたかった」というのが理由だった。2人は死に至らずとも、タリウム中毒の傷害を負っている。

また「焼死体を見てみたい」との理由から、実家のあった仙台市内の民家に、2度にわたって放火していたことも発覚している。放火は岡庭容疑者も一緒だ。

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