保育園で幼児に「プログラミング教育」の深い訳 現代の基礎教養に幼少期から触れるメリット

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こう話す「HOPPA世田谷経堂」園長の奥川由紀氏は、当初プログラミング教育を導入すると聞いて実現できるか心配だったが、子どもの思考を育てるのは、これまでの保育の中でもやってきたことだと今では考えているという。

「例えば防災訓練では、地震が来たらダンゴムシになって防災頭巾をかぶります。ガラスが割れているかもしれないので、靴を履いて、逃げるというのを一瞬で考えなければなりません。年長さんが『これってプログラミングだね』と言ったんです。お散歩も同じで、どういう順番だと効率よく準備してお散歩ができるかなど、頭の中で考えて動くのは、まさにプログラミングの考え方につながっています」(奥川氏)

幼少期からプログラミングは早いのではないか?

とはいえ、いまだ小学校におけるプログラミング教育の必修化に懸念を示す人もいる。幼児のうちからプログラミング教育は早いのではないかと考える保護者も多いに違いない。実際のところはどうなのか。

プログラミング教育に詳しいCANVAS代表の石戸奈々子氏は「これからを生きる人たちの基礎教養として、小学校でプログラミングが必修化されました。本人が関心を持つのであれば、幼少期から触れる体験はよいでしょう」と話す。

CANVAS代表
慶應義塾大学教授 石戸奈々子
東京大学工学部卒業後、マサチューセッツ工科大学メディアラボ客員研究員を経て、NPO法人CANVAS、株式会社デジタルえほん、一般社団法人超教育協会等を設立、代表に就任。総務省情報通信審議会委員など省庁の委員多数。NHK中央放送番組審議会委員、デジタルサイネージコンソーシアム理事等を兼任。政策・メディア博士。著書には『子どもの創造力スイッチ!』『日本のオンライン教育最前線──アフターコロナの学びを考える』『プログラミング教育ってなに?親が知りたい45のギモン』『デジタル教育宣言』をはじめ、監修としても『マンガでなるほど! 親子で学ぶ プログラミング教育』など多数。これまでに開催したワークショップは 3000回、約50万人の子どもたちが参加。実行委員長を務める子ども創作活動の博覧会「ワークショップコレクション」は、2日間で10万人を動員する。デジタルえほん作家&1児の母としても奮闘中。https://creativekids.jp/
(写真:本人提供)

「何より、幼少期に大事なことは『プログラミングって楽しい』と感じる体験です。自分の絵を動かしたり、オリジナルゲームをつくったり、ロボットを動かしてみたり。プログラミングは、自分のアイデアをかたちにするツールです。子どもたちにとって、つくる体験はとても楽しいもので、興味を持って『楽しい』と思うことこそが学びの原動力になります。それは小学校以降の学びにもつながるでしょう」

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