保育園で幼児に「プログラミング教育」の深い訳 現代の基礎教養に幼少期から触れるメリット

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
小学校のプログラミング必修化を受け、プログラミング教育市場は活況を呈している。プログラミングが学べるアプリ、教室、ワークショップ、キャンプなど、学びの場も多様で発展的になってきている。幼児向けプログラミング教材も多く市販されていて、保育園でもプログラミング教育を導入するところが出てきた。幼少期からプログラミングを学ぶメリットは、どこにあるのか。就学前のプログラミング教育の現場を取材した。

プログラミングを体験的に学ぶ

「Turn left. Go straight two times. Turn Right. Go back two.……」

マス目が書かれたブルーシートを使って、子どもたちがすごろくのような遊びをしている。外から英語で指示を出す子と、その指示に従ってマス目上を動く子の2人が、チームとなってシート上のアイテムを取っていくゲームのようだ。再び、ネイティブの先生が英語でルールを説明する。

「You have to get a bag and a hat. And you can choose juice, onigiri, potato chips, odango, but you have to get a basket to get those foods and drinks. Sakura tree is a goal.」

これだけを見ていると、楽しく遊びながら英語を学ぶゲームのように見える。が、指示を出す子の手元にはボードがあり、カラフルなマグネットがいくつも貼り付けてある。「緑」は真っすぐ、「赤」は右に向く、「紫」は後ろに下がる、「黄色」は左に向くという意があるようだ。「×2」「×3」「×4」といったマグネットと組み合わせて、ボードを見ながらブルーシート上のチームメートに英語で指示を出す。

プログラムが書かれたボードを見ながら「ロボット役」の友達に指示を出す(東京・世田谷区にある保育園「HOPPA世田谷経堂」)

「次は…」と先生は、子どもたちに声をかける。「こうくんがロボットで、あきらくんがプログラマーね」。そうこれは、プログラミングを体験的に学ぶ取り組みだ。

子どもたちは「すごろく」で遊ぶ前に、ブルーシート上のアイテムを記した紙「プランシート」を見ながら、「緑」「赤」「紫」「黄色」のマグネットを使って「プログラム」を行っているのである。進む方向とマスの数はもちろん、「ロボット役」となる友達の体の向きがどの方向にあるのか頭の中で想像しながら、ボードにマグネットを貼り付ける。

プランシートを見ながら進む方向やマスの数、「ロボット役」の友達の体の向きを想像しながらマグネットでプログラムをつくっていく

そうして自分で組んだプログラムを「すごろく」で実際に確かめるわけだが、ブルーシート上に立ってしまえば簡単なことも、プランシートとマグネットだけを使ってプログラムをすることがいかに難しいことなのかを子どもたち全員が「プログラムを実行して」身をもって知ることになる。

学習塾を運営する京進が痛感する「土台教育」の重要性

東京・世田谷区にある保育園「HOPPA世田谷経堂」では、2019年10月からプログラミング教育を導入している。保育園を運営するのは、京都を中心に学習塾を展開する京進だ。その狙いについて京進 保育事業部 部長の水口加緒里氏は、こう話す。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事