子育てしながら教員「ママ先生」、弱音吐けない教育現場の過酷なワーママ事情 一日中「生身の人間」育てるストレスに処方箋は

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自身の子育てをしながら先生という職業に就く「ママ先生」。教員の長時間労働による過労死や休職が問題になる中で、“先生”と“母親”という役割を掛け持ちすることは、相当なハードワークである——そう危惧するのは、一般社団法人子育て心理学協会代表理事の東ちひろ氏だ。ママ先生が置かれている状況や、自らのママ先生の経験を踏まえたアドバイスを伺った。

「あの先生、また休んでいるの?」と言われたくない

日本の学校の先生は、世界一忙しいといわれる。授業にとどまらない多様な業務内容が長時間労働を常態化させており、教員のなり手不足にもつながるとして問題視されている。

こうした過酷な教育現場で教員として働きながら子育てをしている母親を、東ちひろ氏は「ママ先生」と呼ぶ。

仕事と家事・育児を両立するワーキングマザーを数多く見てきた東氏は、かつて自身もママ先生として学校に勤務していた経験から、「ワーキングマザーの中でも、ママ先生には特有の悩みがある」と話す。

東ちひろ(ひがし・ちひろ)
幼稚園講師、小学校教諭、中学校相談員、教育委員会勤務を経て、現在は一般社団法人子育て心理学協会代表理事、スクールカウンセラーとして中学校勤務。公認心理師、学校心理士、上級教育カウンセラー、カウンセリング心理士。心理学とコーチングから独自に開発した「ココロ貯金」をベースに組み立てた子育て心理学講座、子育て電話相談を行い、これまでに2万件以上の実績がある。主な著書に『母親としての悩みを解決!「ママ先生の子育て」がうまくいく45のヒント』『子育てが上手くいく!「ママのココロ貯金」のすすめ 親と子の自己肯定感を上げる33のポイント』(ともにメイツ出版)、『不登校の教科書: 9割が改善! シンプルなのによく効く3つの魔法』(Kindleストア)など。1男1女の母
(写真は本人提供)

「ママ先生には圧倒的に時間がありません。学校の実態として時短勤務制度が形骸化している場合も多く、産休・育休を経て復帰した後も学校の仕事がつねに手いっぱいのまま。とくに小学校の先生の忙しさは尋常ではありません。ほぼすべての教科を受け持つだけでなく、児童の年齢が低いため安全管理に手がかかるうえに保護者からの要望も多い。そのためさらに自分の子育てとなり、疲弊してしまうのです。

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