記事の目次
「いつも親にビクビク」保育士の知られざる実態
現在の定時制高校「やんちゃな子」より圧倒的に多いのは
かまいたち山内健司「教員の道を選ばなかった本当の理由」
残業当たり前と「毎日17時に帰る」先生の決定的差
海外に比べ「いじめ」が増える日本
ICT「苦手な教員」と「得意な教員」それぞれに課題
公立中高一貫校の「国際バカロレア教育」
同級生の「お世話係」を任命する教員に欠ける視点
教員人気を上げる「最も現実的な方法」は?
子どもの発達障害の大半は「発達の凸凹にすぎない」訳

「いつも親にビクビク」保育士の知られざる実態

人間誰しも、愚痴を聞いてほしいときもあれば、喜びを分かち合いたいときもある。それは学校の教員も同じだ。つらい経験に共感したり、笑い話にほっこりしたり、はたまた、成功体験をシェアしたり――、そんな学校現場の知られざる「リアル」をお届けする好評の連載「教員のリアル」。

今回、取り上げる現場は「保育園」。「不適切保育のニュースは多いが、保育士の置かれている状況がほとんど報じられていない」と嘆く私立認可保育園副園長の石井京子さん(仮名)が語る「保育士のリアル」とは。

「『いつも親にビクビク』保育士の知られざる実態、SNS禁止に食事も個室の惨状」

現在の定時制高校「やんちゃな子」より圧倒的に多いのは

少子化で全日制高校の定員維持も難しくなる今日、全国で定時制高校の減少が続いている。神奈川県では、横浜翠嵐高校などの県立6校について、2026年度から夜間定時制枠の募集を停止すると決めた。

各地で募集継続を求める声も上がっているが、そもそも現在の定時制高校はどんな学びの場になっているのだろうか。2005年度に全日制高校から3部制の昼夜間定時制高校になった東京都立一橋高等学校を訪ねた。

「昼間も通える現在の定時制高校、『やんちゃな子』より圧倒的に多いのは」

かまいたち山内健司「教員の道を選ばなかった本当の理由」

誰にでも訪れるキャリアの岐路。現在の社会では、自らの進路を切り開く主体性が重要視されている。そこで編集部が注目したのが、人気お笑いコンビ「かまいたち」の山内健司さん。

教員免許を取得しながら、大学卒業後にお笑いの道へ進んだ彼は、なぜ教員にならなかったのか。キャリアの岐路で彼が取った行動と、選択の判断軸に迫った。

「かまいたち山内健司が明かす『教員の道を選ばなかった本当の理由』」

残業当たり前と「毎日17時に帰る」先生の決定的差

2016年以来6年ぶりに文部科学省が行った教員勤務実態調査の結果を見ても、教員の長時間勤務の解消に光は見えない。

条件整備と一体化した働き方改革の議論は大事だが、「今この瞬間を生きる教師にとっては、授業や校務の生産性を高め現状にあらがっていくしかない」――。そう考える京都府公立小学校 教諭の坂本良晶氏は、ミドルリーダーとして周囲を巻き込み、学校を主語にした働き方改革を目指している。定時退勤をモットーとし、ICTを徹底活用する坂本氏に、働き方を見直して生産性を上げるコツを聞いた。

「『毎日定時に帰る』さる先生と、残業当たり前の先生の働き方に見る決定的な差

海外に比べ「いじめ」が増える日本

文部科学省の「令和3年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」(以下、文科省調査)によると、小・中・高等学校および特別支援学校におけるいじめの認知件数は61万5351件(前年度51万7163件)と過去最多を記録。

いじめを苦にした自殺など重大事態も後を絶たないが、いじめに対して学校はどう対応すべきか、未然に防ぐことはできるのか。子どもの発達科学研究所所長の和久田学氏に、科学的根拠に基づくいじめ予防のアプローチについて話を聞いた。

「海外に比べ『いじめ』が増える日本、決定的に欠けている『エビデンス』の視点」

ICT「苦手な教員」と「得意な教員」それぞれに課題

IT企業から教師に転職して3年目の江渡手久実(えどてくみ)先生。GIGAスクール構想により学校に1人1台端末が整備され、江渡先生はICT推進リーダーを務めることになった。

デジタル機器の操作は得意であるものの、「ICTが苦手でできれば使いたくない」「自然に触れながら体を思い切り動かすことのほうが大事」「教科の本質を大切にした使い方を進めてほしい」など、先生方のICTに対する意識が異なる中で端末活用の推進に苦労している。

今の時代に求められる教育のありよう、教師としてのやりがいは何なのか。前田康裕著『まんがで知る デジタルの学び2 創造的な学びが生まれるとき』より一部抜粋、再構成して紹介する。

「ICT『苦手な教員』と『得意な教員』それぞれに課題、授業改善に必要な視点とは?」

公立中高一貫校の「国際バカロレア教育」

世界的な大学入学資格および教育プログラムとして知られる国際バカロレア(International Baccalaureate、以下IB)。3月28日、文部科学省は国内のIB認定校が207校(候補校を含む)になったことを発表した。

政府目標の200校は達成されたが、一般的にはまだ「インターナショナルスクールや一部の私立校の教育」といった印象が強いのではないか。そこで今回、国内の公立中高一貫校として初のIB認定校である札幌市立札幌開成中等教育学校に、教育活動の中身や進路選択の傾向などについて取材した。

「公立中高一貫校の『国際バカロレア教育』、気になる『授業と進路選択』の実態」

同級生の「お世話係」を任命する教員に欠ける視点

インクルーシブ教育が広まる一方で、いまだに聞こえてくる「お世話係」についての悩み。これは障害がある子どもなどのフォローを、教員が特定の子どもに任せてしまうことだ。内容は授業のサポートから登下校や行事での付き添いなど、お世話される子どもの困りごとによって多岐にわたる。

自分の幼少期やわが子の教室を思い出しても、こうした関係性に心当たりのある人は多いのではないだろうか。この状況が抱える問題点と解決策について、兵庫教育大学で特別支援教育などを研究する小川修史准教授に聞く。

「インクルーシブ教育を阻む、同級生の『お世話係』を任命する教員に欠ける視点」

教員人気を上げる「最も現実的な方法」は?

教員のなり手不足が、いよいよ深刻になっている。少子化の一方で特別支援学級の増加などで教員需要が高まる中、教職志望者の減少だけでなく、講師登録者も減っており、多くの小中学校で欠員状態が発生する教員不足が起きている。

「先生になろう」――こんな声かけとともに教員採用試験の受験者を増やそうと試行錯誤する自治体の動きに対し「はたして効果的なのか」と厳しい目を向ける教育研究家 妹尾昌俊氏に、背後関係を分析してもらった。

「教員人気を上げるには?大学生の調査に見る『最も現実的な方法』は何か」

子どもの発達障害の大半は「発達の凸凹にすぎない」訳

文部科学省が2022年に行った「通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果」によると、「知的な発達に遅れはないものの学習面や行動面で著しい困難を示す、発達障害の可能性がある」と思われる児童生徒の数は8.8%。10年前の6.5%から増加している。

その背景や教育現場の現状、今後の課題などについて発達障害をメインに臨床・研究を行う精神科医の杉山登志郎氏に話を聞いた。

「精神科医・杉山登志郎、子どもの発達障害の大半は『発達の凸凹にすぎない』訳」

(注記のない写真:貴坊 / PIXTA)