進学実績が光る東北の名門・仙台第二高校が進める「学びの現代化」とは 国公立大医学部医学科合格者は公立高校トップ

※1 大学通信オンライン
※2 朝日新聞ウィークリーAERA 2025年4月21日号
医師?東京で働く?キャリアを考える機会が充実
――仙台二高は、今年度の進学実績が好調ですね。東大の合格者数が12人、東北大が78人でした。
伊藤寛明・教頭(以降、役職略) 本校はもともと県内有数の男子校でしたが、2007年から共学となり全県一学区制になりました。その結果、全県から男女の優秀な生徒が集まり、学力層が底上げされたという背景があります。その生徒たちが目的意識を持って学業はもちろん、クラブ活動や行事にも意欲的に取り組んでいますし、私たちも高いレベルの授業をするよう努めています。

仙台第二高校 教頭
――例年、医学部進学においても高い実績を出しています。
木村剛・進路指導部長 今年、国公立大・医学部医学科の現役合格者数は30人、浪人を含めると48人でした。これは、過去最高の数字。本校はもともと医学部志望者が多く、医師を志す生徒を対象とした、進学後の医師としてのキャリアプランニングのため、医進会という組織を設けて活動しています。
例えば、総合病院の体験会や医師の講演を聞くだけでなく、医療について調べたことや収集した医療記事を発表する機会を設けています。1年次から参加でき、各学年40~50人で活動しています。

医進会は学力向上を目指す場ではなく、医師や医療についての理解を深める場です。中には活動を通して「自分は医師には向いていないかも」と別の進路を目指す生徒もいます。それはそれで、自分と真摯に向き合った結果なのでいいことだと捉えています。
――入試に向けてのサポートはどのように行っていますか。
木村 最難関大は、2年生の終わりぐらいに志望する生徒を集めてガイダンスを行います。同じ志を持った仲間で集まることで、お互いが刺激を受ける場となっていますね。

仙台第二高校 進路指導部長
さらに授業の中でも教員が「こういう学習をすればいいよ」「ここはよく取り上げられる分野だよ」など声掛けをして、生徒の自立を促しています。推薦入試を希望する生徒には、進路指導部が過去のデータを示しながら話したり、複数の先生が志願理由書のチェックや面接指導を行ったりしています。
――キャリア教育も力を入れていると聞きました。
小山裕之・主幹教諭 東京の大学やその先を体験する将来を見据えた催しとして「未来キャリア創造プロジェクト」を実施しており、1年生の夏休みに希望者が東京で1泊2日の研修を行っています。

企業や研究室、大学を訪問したり、社会の第一線で活躍している卒業生などを講師にグループセッションしたり、東大の現役学生であるOB・OGを訪問したりしています。