進学実績が光る東北の名門・仙台第二高校が進める「学びの現代化」とは 国公立大医学部医学科合格者は公立高校トップ
1学年320人ですが、280人ほどの生徒が参加する大きな行事の1つになっています。キャリアを積んできた社会人から話を聞くことで視野を広げ、自分の将来について考えてもらうことが目的。ここ10年、首都圏の進学者数が増えていますが、この行事がきっかけになっていると思います。
高校のレベルから一歩先へ、学問への探究心を引き出す
――授業の特徴は?
小林雄介・生徒指導部長 私は社会の公民・政治経済を担当していますが、教科書に載っていることが現代社会といかにつながっているのか、ニュースなどを取り上げるようにしています。高校の範囲だけでなく、大学での学びを伝えることで、学問への意欲や興味も湧いてくるのではと思っています。

仙台第二高校 生徒指導部長
木村 数学科は、ほとんどの生徒が予習して来ており、授業は復習の場として理解を深めています。教科書レベルの問題だけでなく、時には大学入試レベルの難しい問題も投げかけています。
その際、生徒に話し合いをさせて解法を導かせています。かなり難しい問題にも、生徒たちはよく食らいついてきますね。
早坂重行・校長 本校はもともと生徒同士で教え合う文化があります。

仙台第二高校 校長
1967年生まれ。東北大学大学院教育情報学教育部博士後期課程修了。博士(教育情報学 )。宮城県仙台第二高等学校、岐阜県立多治見北高等学校(人事交流)などで、国語教諭 として勤務。宮城県教育庁教職員課管理主事を経て、蔵王高校、宮城野高校で校長を歴任。宮城県高等学校文化連盟会長、宮城県高等学校体育連盟副会長も務めた。校長の業務に努めながら、学術研究も継続しておこなっている。2025年より現職
国公立大の二次試験対策においては、生徒同士で問題を解き合っている姿がよく見られます。教員は必要以上に教え込むのではなく、高いレベルで学び合う生徒を評価して、モチベーションを上げる役割を果たすことで自主的に学ぶ生徒を育てていると思います。良質な教師陣が生徒の学びの自立化を支えています。
――探究活動はどのように展開していますか。
小山 私は探究活動のグランドデザインに関わっています。ベースは生徒が将来、社会にどう関わり、貢献するのかを考えてもらうこと。
1年次は視野を広げることを目的に、興味のある分野の新書を読み、同じテーマの生徒がグループになって、共同で探究活動を行います。
2年次には、個別で自身のテーマを深めて行きます。探究活動の成果が京都大学医学部の特色入試の合格につながった生徒もいます。
多国籍の留学生と世界の課題についてセッション
――グローバル教育はどのようなことを実施していますか。