進学実績が光る東北の名門・仙台第二高校が進める「学びの現代化」とは 国公立大医学部医学科合格者は公立高校トップ
小山 2年生を対象に、「北陵グローバルゼミ」を催しています。本校320人の生徒に対して留学生を50人ほど招聘し、少人数のグループに分かれてセッションを行います。留学生は東大や早稲田大、慶應大などの大学生・大学院生で、パキスタン、エジプト、コスタリカなどいろいろな国の学生に参加してもらっています。

仙台第二高校 主幹教諭
テーマはジェンダーなど社会課題を取り上げます。すべて英語で行いますが、英語力は副次的なもので、宗教や価値観の違う留学生と語り合うことで世界を垣間見ることを目的にしています。生徒のへのアンケートでは「世界のことをもっと知りたくなった」と回答した人が97%、「将来の夢や目標を持つための参考になった」が89%など、好評です。
小林 十数年以上前から2年生の希望者を対象に、夏休みに10日間のアメリカ研修を行っています。現地の大学生やハーバード大学、マサチューセッツ工科大学で学ぶ日本の学生と交流します。世界のトップの大学生が何を考え、どう過ごしているのか、生徒は大きな影響を受けています。
――校是に「文武一道(両道)」を掲げ、クラブ活動もさかんのようですね。
早坂 入学直後から新入生は、杜の都(宮城県仙台市の愛称)の早慶戦と言われる、仙台一高との硬式野球の定期戦に向けて応援練習を行います。勝っても負けても、生徒一丸となって応援したことが、二高生になったという帰属意識を高めるようです。

クラブ活動も今年のインターハイ予選では各部とも健闘し、中でもフェンシングや卓球、弓道、陸上などがインターハイ出場を果たしています。文化部でも、囲碁部が全国大会3連覇を果たしたほか、囲碁、将棋、化学、放送、かるたが全国高等学校総合文化祭に出場しています。勉強だけでなく、クラブ活動でも着実な成果を上げていることは、県全体の高校生の学びにもよい影響を及ぼしているのではないでしょうか。
――今後の目標と、改めて仙台二高の特色は。
早坂 これまで先生方の尽力で、生徒が学びに向かう力を育ててきました。これからは現代的な生徒の安全・安心を第一義に、先生方の働き方改革も加えて、行事の再検討をしていかなければならないと考えています。あわせて、デジタル学習基盤を活用した生徒の学習のさらなる自立化や、先生方の業務量削減を考えています。校長として21世紀の学びを創造していくための舵取りをし、持続可能な学校にするべく努めていきます。
仙台二高は昔から改革を進め、新しいことを取り入れる学校。伝統を大事にしつつも、医進会やキャリア研修、グローバル教育など新たな取り組みを次々と生み出し、学びの現代化を進めてきました。これからも未来志向で、したたかに・戦略的に変化し続けたいですね。
(文:柿崎明子、注記のない写真:仙台第二高校提供)
東洋経済education × ICT編集部
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