整理収納のプロが語る、忙しい学校も今すぐ可能な「時短をかなえる片付け術」 不要なモノは子どもや教員の「安全」も脅かす

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働き方改革が叫ばれる学校現場。人員配置の問題など現場だけでの解決が難しいことは多いが、学校単位で取り組めることもある。例えば、ICTの活用や時間割の見直しなどの工夫を始める学校は増えつつあるが、「片付け」もまた、業務効率を上げる手段の1つと言えるのではないだろうか。「学校片づけアドバイザー」の伊藤寛子氏に、今すぐできる“効果的な片付け術”を教えてもらったので、新年度の環境づくりの参考にしてほしい。

学校が守っていない「片付けの順番」とは?

「多くの学校には、何のために使うのか誰も把握していないようなモノがたくさんあります。そういった不要なモノを適切に片付ければ、先生方は授業の準備や後片付けが楽になって時短でき、子どもたちと関わる時間も多く確保できるはずです」

そう語るのは、「学校片づけアドバイザー」として活動する伊藤寛子氏だ。

伊藤寛子(いとう・ひろこ)
学校片づけアドバイザー
2006年に31年間務めた公立小学校の教職を辞め、インテリア関連の資格を複数取得。08年からゆうゆう素敵工房を主宰し、整理収納アドバイザーとして活動。14年から日本収納検定協会の収育士としてテキスト作りやセミナーを担当。横浜市内の小学校の教育環境整備に携わったことを機に、学校や保育園などの環境改善の助言や整備も開始。インテリアコーディネーター、整理収納アドバイザー1級、ファイリングデザイナー2級、オフィス環境診断士など資格取得多数。著書に『学校の片づけ術 今日からできて、「キレイ」が続く仕組み作り』(学事出版)

実は、伊藤氏はかつて31年間、公立小学校の教諭として教壇に立っていた。昔から興味のあったインテリアを勉強するため53歳で退職し、インテリアコーディネーターの専門学校で学んだ。2008年に整理収納アドバイザーとして独立し、10年からは「収納王子コジマジック」こと小島弘章のアシスタントをしながら、個人宅や店舗、オフィスなどの片付けを請け負っている。

学校の片付けに関わるようになったのは、14年のこと。「定年退職後にDIYアドバイザーに転身した夫が、横浜市の小学校から『図工室の環境整備』を依頼されたんです。その手伝いを機に、片付けのノウハウを使って忙しい先生方に少しでも楽になってほしいという思いを強くしました」と伊藤氏は振り返る。

これまで6校の職員室の環境改善を引き受けたほか、事務室、家庭科室、印刷室、教具室、特別教室、技術員室、放送室など、さまざまな学校の環境改善の助言や整備を手がけてきた。18年には片付けのプロの全国大会「片づけ大賞」(日本片づけ整理収納協議会主催)で「片づけから始める学校の働き方改革」と題して職員室の片付け事例を発表し、グランプリを受賞。自治体の事務職員研究会や学校などからの依頼で、セミナーの講師も務めてきた。

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