日本とはケタ違い、米国「貨物列車」のスケール 風力発電の翼から航空機の胴体まで輸送する

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風力発電用ブレードは、89フィート(約27m)のフラットカー2両にまたがって積載されている。2019年に修復運行を始めた世界最大級の蒸気機関車「ビッグボーイ」の機関車部の長さは前部連接可動部を除きボイラー・運転台間固定部がおよそ23mを超えているが、ブレードの長さ(筆者推測では約40m)は、この長さを優に越え、曲線走行時、2両目の車両がかかるブレードの端部は曲線部で外側にはみ出してしまう。

数十枚のブレードを積んだ列車が対向列車の通過待ちをしていた(写真:中村彰宏)
ブレードを運ぶ列車の編成は100両を超えていた(写真:中村彰宏)
内陸部のワイオミング州。風が強く、貨物列車のはるか後ろに風力発電機が設置されているのが見えるだろうか(写真:中村彰宏)

ちなみに、ビッグボーイの固定部と対向列車と接触するのは、軌道中心間隔が13フィート(3.96m)で曲線角度が8度以上である。

ビッグボーイより飛び出し部の長いブレードを積載して運行するにあたっては、対向列車と曲線部ですれ違い接触が起きないようにダイヤが組まれる。

数十枚のブレードを北部に運搬するため、対向列車の通過待ちをしている光景は壮観だ。

なぜか、ブレードは同一方向に積載され1基のブレードにフラット・カー2両が割り当てられていた。

この列車の編成はフラット・カー100両を超えていた。

B737の胴体を貨物列車で運ぶ

長さ、幅ともにオーバースケールの代表例は、航空機の胴体輸送である。

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ボーイング社はワシントン州エバレットに主力工場を置くが、胴体の製造は中西部の工場で行われている。ボーイングの航空機製造は、B737シリーズの製造は1万機を超えているが、B737MAXのインドネシア沖での墜落事故、またコロナ禍、エンジントラブル等々により世界的な航空輸送量の激減でこのシリーズの製造数は減少している。

これらの外的要因以前、コンスタントにカンザス州ウィチタの機体製造工場からワシントン州シアトルの最終組み立て工場に輸送されていた。

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