シトロエン「C5 X」が車好きから注目される訳 伝統の精神とテクノロジーの融合の新境地

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メカニズムについても触れておくと、パワーユニットはガソリン仕様とプラグインハイブリッド仕様(PHV)が用意される。PHVは最高出力225psで、モーターのみで50km以上の走行が可能だ。

おそらく同じグループPSAのプジョー「3008」やDS「DS7クロスバック」に用意されるPHVの前輪駆動版であり、ガソリンエンジンもC5エアクロスなどに積まれる1.6リッターターボだろう。

「C5 X」PHEVモデルの充電イメージ(写真:STELLANTIS)

シトロエンのアピールポイントのひとつであるサスペンションには、「シトロエン・アドバンスト・コンフォート・アクティブ・サスペンション」が世界で初めて採用された。

これはC5エアクロスSUVに装備されている「プログレッシブ・ハイドロリック・クッション」を電子制御化したもので、3つのモードが選べるという。

プログレッシブ・ハイドロリック・クッションとは、ダンパーの中にもう1つのダンパーを組み込むことで、安定性を保持しながら極上の快適性を生み出すメカニズムだ。GSやCXなどに装備されていたハイドロニューマチックを思わせる、浮遊感あふれる乗り心地だと高い評価を受けている。

これの電子制御化というと、CXの後継車であるXMに初採用され、C5やC6にも搭載されたハイドラクティブ・サスペンションを思い出す。魔法の絨毯で旅をしているかのような感覚をさらに高めたという、シトロエンの新たな伝統芸に期待したい。

日本への上陸は早くて2022年か?

先進運転支援システムはレベル2で、アダプティブクルーズコントロールとストップ&ゴーを組み合わせた「ハイウェイドライバーアシスト」や「レーンキーピングアシスト」が用意される。こちらも現在のPSA各車に搭載されているものだ。

C5 Xの欧州での発売は2021年後半とあるので、日本へは2022年以降の上陸になるだろう。かつてのシトロエンが備えていたエレガントなプロポーションと、ハイドロニューマチックやハイドラクティブの精神を受け継ぐテクノロジーの融合は、シトロエンらしさを極めた1台として、多くのクルマ好きから歓迎されるに違いない。

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森口 将之 モビリティジャーナリスト

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もりぐち まさゆき / Masayuki Moriguchi

1962年生まれ。モビリティジャーナリスト。移動や都市という視点から自動車や公共交通を取材。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。著書に『富山から拡がる交通革命』(交通新聞社新書)。

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