スズキ新工場稼働で問われるインド事業の難題

二度の稼働延期、シェア50%を維持できるか

インド北西部のスズキの新工場で生産を開始した小型セダン「ディザイア」(写真:スズキ)

二度も稼働が延期されていたスズキのインド新工場がこの4月、ようやく稼働を始めた。

当初計画から1年遅れで稼働したのは、パキスタンと接するインド北西部グジャラートにあるスズキモーターグジャラートの完成車工場だ。グジャラートにはすでにコンパクトカー「バレーノ」と「スイフト」を生産する2つの完成車工場とエンジンなどを生産する工場もあり、4月に稼働開始した4つめの新工場を含め、スズキはこれまでに2200億円を投じている。

新工場ではスイフトの派生車種の小型セダン「ディザイア」を生産する。年間生産能力は25万台で、これで3工場合計の生産能力は75万台となる。販売シェア50%を誇るスズキは、グジャラート以外にインド国内にマルチ・スズキ・インディアの工場があり、新工場が加わることでインド国内の生産能力は225万台になる。

貸し渋りや環境規制で買い控え

工場の稼働が遅れたのは、インド国内の自動車販売が急速に冷え込んだせいだ。2018年には過去最高となる339万台(乗用車のみで商用車を含まず)を記録し、アメリカ、中国、日本に次ぐ世界第4位の市場規模に躍り出た。

しかし、2019年に入り、インド国内で金融不安が起き、自動車ローンを提供するノンバンクで貸し渋りが発生。環境規制もより厳格な内容に変更され、同年5月の総選挙を前に買い控えも起きた。

2020年3月以降はコロナ感染が広がり、インド政府は強力なロックダウン措置に踏み切り、スズキも生産・販売活動をストップ。当初、2020年7月としていた新工場の稼働時期を2回にわたって延期していた。

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