年収激減の「役職定年」乗り切るための心得 「人生の終わり」ではなく「通過点」とするために

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役職定年によるお金の影響は、非常にわかりやすいところです。年収が2割カットされるということは、毎月の生活費も同じように変えていく必要があります。毎月の支出を人生の最高年収時に合わせていると、年収が下がったときについていけません。預貯金やボーナスを切り崩して、毎月の生活費の赤字分を補う生活となってしまいます。

55歳だと、子どもは大学生くらいの人も多いでしょう。教育費がかかるうえに、どれくらいかかるのかも見えず不安に駆り立てられることも。現役生と予備校代のかかる浪人生、国公立か私立か、学部によっても学費はだいぶ違います。

『老後の年表 人生後半50年でいつ、何が起きるの…? で、私はどうすればいいの??』(かんき出版)。書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします

ただ、不安ばかりがあるわけではありません。役職定年は突然の肩たたきではなく、起きる可能性と時期は予測がつきやすいもの。もっと前から収入の8割で家計がまわせるように設計しておけばいいのです。

不動産投資を検討している人も、役職定年までに実行しないと困ることがありますので要注意。

というのは、不動産投資などローンを利用する場合は、年収に応じて借りられる額が変わるからです。

役職定年時点でマイホームを購入する人は少ないと思いますが、自宅の買い替えなどで資金が必要になったときの借り入れでも、もちろん年収は関係してきます。

この問題の解決策としては、役職定年で年収減になる前に借り入れることです。

準備しておけばダメージは減らせる

役職定年は健康面でも暗い影を落とします。今まで部下がいて、部長職や課長職を謳歌していた人にとっては、給料カット以上に心への影響は大きいものです。とくに、新卒で入社して以来、転職をせず1つの会社で過ごした人には、厳しい仕打ちではないでしょうか。というのは、立場なり環境なりの変化に慣れていない可能性が高いからです。

会社は、最終的にはわれわれの人生まで保証してくれるわけではありません。会社にも会社の都合があるのです。「やっと厳しい数字の世界から解放されて、定年後を見据えて毎日が落ち着いて過ごせる!」と考えたほうが健全でしょう。

役職定年は、人生の終わりではありません。単なる人生においての通過点です。特別急行から鈍行列車に乗り換えれば、まわりの景色もよく見えるもの。こう考えれば、定年後の充実した生活に向けたよい助走期間になるはずです。

横手 彰太 老後問題解決コンサルタント

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よこて しょうた / Syouta Yokote

不動産会社の日本財託に勤務し、相続など資産の問題をはじめ、数多くの老後問題に遭遇、解決に導いてきた。とくに家族信託のアドバイスに定評がある。1000人以上から相談を受け、延べ79億円以上の財産管理をサポート。メディアに多数出演。著書に『老後の年表』(かんき出版)がある。

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