マイホーム購入前に売却ばかり考える人の盲点 投資目的ではない住宅購入に必要な考え方

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購入するときに住宅の相場を知り、相場よりも高いまたは安い物件に注目することはもちろん重要です。しかしそれは、「市場価値」の面で掘り出し物を見つけるためではなく、「使用価値」の面で〝安かろう悪かろう〟な物件をつかまないようにするためです。

では、「市場価値」はまったく無視すべきなのか? というとそれも違います。冒頭に述べたように売却局面では重要です。買ってくれる相手があっての話だからです。しかし、いつ売るか(そもそも売るかどうか)も決まっていない段階から、個別の物件を対象として素人目線で将来の市場予想をしても〝下手の考え休むに似たり〟なのです。

不動産投資であれば高く売れるタイミングであればすぐ売るでしょう。しかし、マイホームの場合、例えば引っ越した翌月に高く売れることが分かったら売るでしょうか? そんなことをする人は少ないと思います。

不動産の市場価値の予測は困難

多くの人がマイホームを売るタイミングは、子どもの誕生や成長などのライフステージの変化や転勤などです。高く売れる方が良いとはいいながら、高く売れるときに売るとは限らないのがマイホームです。そして、市場価値がどんなに上がっていようとも現実に売らなければ利益は実現しないのです。

  • 「コロナ後に不動産価格はさらに上がるのか?」
  • 「いやいや! オリンピック後には不動産が暴落するんじゃないのか?」
  • 「人口減少で空き家率が高まっているので、わざわざ価格の高騰している家を買わないほうがいいのか?」

こうした、不動産の市場動向に関する言説はインターネット上に石ころのように転がっていますがすべて外野の声です。そんなものに自分の最も重要な判断を委ねて良いのでしょうか?

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