「ミスの多い部下」を一人前にする具体的解決策 「次から気をつけてね」と言ってはいけないワケ

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誰でも、ポイントとなりそうなことは反射的にメモしようと思いますが、ミスはむしろ数字、つまり期限の日時、時間、数量、価格のところから引き起こされることが多いものです。ですので、「ポイント(要点)と数字の部分はメモしてね」の方がベターです。

『自分で考えて動く部下が育つすごい質問30』(青春出版社)書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします。

実際に、ミスを起こさないような行動を能動的に促したい場合は、「途中での確認や見返しを心がけるんじゃなくて、ルーティンにする方法で、やりやすそうなやり方ってある? 具体的なやつで……」という言い方が効果的です。

途中での確認や見返しを心がけることももちろん重要なのですが、それらを「心がけることができないからミスが発生するのです。確実な行動変容を促すには、日々のルーティンに落とし込んだ方が効果が出やすいという現実があります。

しかも、この言い方は指示や命令ではなく、あくまで本人に考えさせているので、自己決定、つまり「自分で決めたことをやりたい」というメカニズムが作動し、継続性を生み出します。

時には激励もしてあげて

より効果的な対策を講じるために、ミスの原因について本人に考えさせるなら、「どういう時にミスが出やすいか、傾向みたいなものってある?」といった聞き方もあります。

「テンパっている時」とか、逆に「気持ちや時間に余裕のある時」とか「〇〇社の仕事の時」とかに行きつけば、根本原因が特定される可能性もあるので、解決のための手が打ちやすくなります。

ミスによって元気をなくしていたら、「大活躍してる5年目社員の〇〇さんも、新人時代はミスが多かったんだけど、○○をするようになってミスが減ったから、試してみたら?」という共感、激励というコミュニケーションも試みて欲しいと思います。

大塚 寿 エマメイコーポレーション代表取締役

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おおつか ひさし / Hisashi Otsuka

1962年、群馬県生まれ。株式会社リクルートを経て、アメリカ国際経営大学院(サンダーバード校)でMBAを取得。挫折の多かった10代、「もっとやれるはずだ」という想いと現実とのギャップに悶々とした20代を過ごした。なんとか現状を変えようと、リクルートの営業マンという立場から、社内外の大手企業・中小企業の管理職や経営者1万人以上にアドバイスを求めるが、その中でも40代を後悔している人が特に多いことを発見。その轍を踏まないように準備し、40代で自己実現を果たす。歴史上の成功者よりも、身近な市井の人の成功・失敗に学ぶことの合理性を痛感している。

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