サッポロが生き残りかけ米国に新たな生産拠点

現地の物流費高騰受け地産地消体制を構築する

サッポロホールディングスは、2024年12月期までに米国で新たな生産拠点を設立することを検討している。傘下のサッポロビール社長に30日付で就任する野瀬裕之常務執行役員が10日、ブルームバーグとのインタビューで明らかにした。

現在、米国市場向けはカナダなどからの輸送に頼るが、需要増を見込んで新たに西海岸で生産拠点を設ける。野瀬氏は「米国で物流費が高騰しているのはネガティブなインパクト。地産地消で、消費する市場の近くに作りたい」と語った。 

サッポロビール社長に30日付で就任する野瀬裕之氏Source: Sapporo Breweries

新拠点については現時点で具体的な計画は定まっておらず、自社拠点の代わりに買収や委託生産の利用も選択肢に入れているという。投資額についても言及を避けた。

同社は、海外市場向けに「サッポロプレミアム」ブランドを展開している。野瀬氏によると、中でもカナダと米国は、20年12月期で同ブランド売り上げの約7割を占めるなど、海外戦略の成否を握る重要なマーケットだ。

一方、カナダでは新しい挑戦が始まった。06年に買収した同国ビール市場3位の「スリーマン」ブランドは、家飲み需要の拡大を取り込むため、缶チューハイなどそのまますぐに飲める「RTD(レディー・トゥー・ドリンク)」と呼ばれるジャンルの新商品を今春市場投入した。野瀬氏によると、商品数は徐々に増やしていく計画だ。

同社が米国に輸出を開始したのは1964年と、国内ビールメーカーの中では早かった。しかし現在は、17年にアンカー・ブリューイング・カンパニーの買収で取得したクラフトビールの拠点などがあるだけで、大規模な生産拠点はない。

 

 

著者:黄恂恂、Lisa Du

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