コロナ禍で2040年には3分の1のお寺が消滅 生き残りをかけた住職たち新たな挑戦の中身

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築地本願寺はオンライン法要を開始

新型コロナウイルス感染拡大で世界の誰もが行動様式の見直しを迫られているが、日本の仏教界も生き残りをかけ、新たな取り組みを打ち出している。日本では寺院は日常生活の風景の一部だ。全国の寺院数は約7万7000と、コンビニエンスストアよりも多い。

築地本願寺は昨年5月にオンライン法要を開始したPhotographer: Noriko Hayashi/Bloomberg

新型コロナ感染拡大は、ここ数年、人口減少と若者の宗教への関心低下による檀家の減少で既に困難な状況にあった仏教界にさらなる苦難をもたらしている。ある試算によると、寺院の総収入は2020年までの5年間で半減。現在は、コロナ禍で信者が外出自粛を強いられ、寺院へのお布施なども減っている。

日本では寺院は千年以上にわたって栄えてきた。しかし、運営費用がかかるため、コロナ禍で一部の僧侶たちは新たな収入源をひねり出す必要に迫られている。外出制限で打撃を受けた旅行や外食、小売りなどの業界と同様だ。

オンライン上に座禅コミュニティーを立ち上げ

京都で660年以上の歴史を持つ禅寺、両足院は革新的な寺院の一つ。法要や観光客が減少したことから、オンラインでのサービスを増やした。いずれ収益化することを目指して開発した座禅アプリは、ダウンロード回数が1万5000を突破。オンライン上に座禅コミュニティー「雲是(うんぜ)」も立ち上げている。

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