英国名車を1カ月で手放した男、その残念な理由 デイムラー ダブルシックスのほろ苦い思い出

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家はというと「白くペイントされた板張り」で、アメリカの田舎でよく見かけるような佇まい。安普請だったが、雰囲気は悪くない。予算的にも手が届く物件だった。仕事柄、試乗車を長期に預かる事も少なくなかった。そのために離れた駐車場を借りていたが、それもなくなる。

とても気に入っていたマンションを離れるのは複雑な気持ちだったが、「とにもかくにも5台駐められる」ことが決定打になった。

家の改装とかいろいろあったので、引っ越しまでには少し時間がかかり、ダブルシックスの納車とほぼ同時期になった。ダブルシックスはイメージしていたマンションで出迎えたかったので、引っ越しもそれに合わせ、納車のほぼひと月後に決めた。

大ドジをやらかした

濃紺のダブルシックスとマンションの相性は予想どおり。ピッタリ馴染んだ。素晴らしい気分だった。

……が、である。移り住む「アメリカの田舎風の家」との調和、これは無残だった。ダブルシックスと新しい家との相性/調和についてはまるで考えていなかった。ボディカラーは違っても、すでにダブルシックスは持っていたし、新しい家に乗っていってもいたのに……。

改装工事中だったから、イメージをシンクロできなかった……そんな言い訳もあるかもしれないが、とにかく大ドジをやらかした。ダブルシックスをオーダーした後のことなので、途中で気づいても後の祭りではあるのだが、衝撃は大きかった。

結局、引っ越す前にダブルシックスは手放すことにした。ポルシェ964も同じ理由で手放した。ちなみに、手放したときのダブルシックスのオドメーターは「800km!」。

新しい家では、アウディ80 アバント、アルファ155、1963年型MGBの3台と暮らした。MGB以外はしっくり馴染むとはいかなかったが、まあ、それほど酷くもなかった。

ほろ苦い思い出だ。

(文:岡崎宏司/自動車ジャーナリスト)

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