7億稼いだ「億り人」の意外にも質素な生活模様 ビットコインの価格なんて本当はどうでもいい

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もう1つは、日本円などは毎年ものすごい量が発行されているので、それだと日本円の価値は下がるに決まっていると感じていたことです。ビットコインのように発行枚数を勝手に増やすことができない暗号資産なら、金(ゴールド)よりも便利だし、価値を保全する手段としては最適だと思いました。

──いつ頃のことですか?

最初にビットコインを知ったのは、マウントゴックスの事件(2014年に世界最大規模のビットコイン交換所であるマウントゴックスが起こした、ビットコインと預かり金の大量流出事件)がニュースで報道されたときです。そのニュースを聞いた翌日に、渋谷でビットコインのマニアが集まるイベントがあるとネットで知り、そこに行ってみました。

最初は取材が来るだろうということで、テレビに映りたいという冷やかし半分でした。でも現地に行くと外国人がたくさんいて、彼らと話しているうちにビットコインのすばらしさを知ったという感じです。

情報収集の方法、注目のサービス

──暗号資産を始めた当初は、どのように情報収集していましたか?

当時はコインの種類も情報も今のようにはなくて、Twitterで仲間を見つけたり、オフ会や勉強会に積極的に参加したりしていました。そのころに知り合った人たちとは、今でも交流があります。

──今は、どうやって情報収集されていますか?

1番はやはりTwitterです。そういう情報をいち早く発信する人はだいたい決まっているので、そういう人のツイートを見ています。

──では今、暗号資産の世界で注目しているものは何ですか?

とくに2020年に入ってからは、DeFi(ディーファイ:ブロックチェーン上に構築された「分散型金融」サービス)と呼ばれる分野で、既存の金融を模したようなものです。これのいいところは、私の場合、税金を低く抑えられることです。

例えばオルトコインの中には価格が数十倍に跳ね上がるものもありますが、そのコインを売却すると、それによって確定した利益全体が課税対象となるので、ものすごい税金がかかります。そのため私は、細かいトレードなどはあまりしたくないんです。

DeFiの場合、得られる利益は利息収入となります。コインを売買するわけではないので、課税されるのは利息で得られた分だけなんです。取引所が行っているレンディングというサービスも同様ですが、暗号資産を預けて金利収入を得る場合は、持っている暗号資産自体には税金がかからず、利息にしかかからないので課税対象の額が全然違います。

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