最近は、委員会設置会社に移行し、取締役の任期を1年としても、配当は株主総会で定める、としている上場会社もある。2012年に委員会設置会社に移行した東京電力や、13年に移行したマネックスグループだ。マネックスグループのIR担当者は、その理由を「配当は株主の権利として特に重要なことなので、引き続き株主総会にはかるべきだという考えで定款に定めた」と解説する。
機関投資家ら、みずほFGの大株主は、今回の定款変更についてどう考えているのか。この議案がいったい何%の賛成を得られたのか。
そして6月27日(金)午後、株主総会の議決権行使に係る臨時報告書が提出され、この結果がわかった。配当は取締役会で決めるという内容を含む定款の一部変更は、第2号議案として提案されたが、これに対する賛成割合は86%だった。第3号議案である取締役13人の選任が軒並み90%以上の賛成を得ているのに比べ低い。また、昨年提案された定款の一部変更の賛成割合は97%だったからそれに比べても低い。配当の決定機関移行を含む定款の変更に反対した株主は少なからずいたというわけだ。
臨時報告書でむしろ意外だったのは、第1号議案の賛成割合の低さだ。78%しかなかった。これは配当に関する議案。昨年の配当についての議案の賛成割合は97%だったから、配当について不満だと思う株主が一気に増えたことになる。8期ぶりの過去最高純益を受け、期末配当を1株につき3円50銭へ、昨年より50銭増やしたが、その額が不十分だったということか。
企業価値向上こそ最大ミッション
他の2メガバンク(三菱UFJフィナンシャル・グループと三井住友フィナンシャルグループ)は委員会設置会社ではなく、いずれも配当を株主総会で決めている。みずほFGの株主総会では、「他のメガバンクとの株価の差が非常に大きい。この差をどう考えているか。みずほは他のメガバンクに比べて発行済み株式数が多い。自己株式を取得して消却してもらいたい」など、他メガバンクと比較する中での株主の不満の声が聞かれた。
「企業価値の向上が最大重要なミッションであることを、経営陣一同しっかりと認識して、これからも全力で努力してまいります」(佐藤社長)。その言葉どおり、企業価値を向上していくことしか、株主からの信頼を得る近道はない。
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